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詩人たちの島

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December 10, 2005
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カテゴリ:essay

今日は十日目、非常に苦しい。とにかく集中できない、しかし昔が集中できていたということはないが、煙の輪の中で幻覚を見ていたのだろう。女房と八王子に出たが、煙草を吸っている人の近くにふらっと寄って、その匂いを嗅いでいるというような行動を起こしていた。

昼飯を二人で食うが、もう何も言わずに食べることに集中する、そのあとの昔の「至福の一服」を想像すると、実に辛くなるので、死ぬまで食べていたいという気持になる。そのことを女房に話すと、「馬鹿ね」と一言でやっつけられるから、我慢している。

叫びたいが、叫ばない。中毒から立ち直るというのはこういうことだと考える。拓が12月8日の日記にジョン・レノンのことを書いていたが、ジョンもずいぶん、いろんな「中毒」で苦しんだはずだ。聖人のように祭り上げられるジョンと彼の、イマジンなどの曲などに代表されるある種のものに対しての異論を拓や五韻さんが書いているが、それは全く同感である。

ニューヨークに行ったときに、セントラルパークの一角にあるジョンを記念した場所に立ったことがある、ダコタホテルも見た、それはそれだけのこと。彼らの曲のなかにLSDをアナグラムのように分散したルーシーで始まるものがあった。だれよりもモード上の反体制、だれよりも表層の反乱者たちであったのだ。そんなことはどうでもいいことかもしれないが、そういう「恰好いい」乱暴なレノンをぼくも好きだ。
そのあとをつぐ流れの貧困さ、ということを考える。

インドのいかがわしい連中とも彼らは金にあかせて随分つきあったはずだ。そこから、そして薬から、まともになると、今度はガンジーのような「聖者」に列せられる。これも人生だといえばそうだが、たぶんぼくには無縁である。

ジョンの「中毒」に自分のニコチン中毒をなぞらえて、そこからの復活(resurrection)をも彼に見習うというのが私のさもしい目論見である。

というようなことはどうでもいいことで、目下の苦しみを払うために、これを最高のスピードで書いているのである。





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Last updated  December 10, 2005 09:40:38 PM
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蕃9073

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