カテゴリ:essay
下高井戸で降りて、東急世田谷線に乗り換え、松陰神社前に降りたのは朝の8時だった。クラブの引率。国士舘大学の大きな体育館で試合をして、敗者復活に進むことができて、そこで勝ったので、わがチームは久しぶりに都大会に進出することができた。これは快挙である。新人戦の予選だった。
それに今日は寒くなくてよかった。剣道の試合を底冷えのする体育館で見ているときはこの世で一番寒いところに自分がいるような気がする。それが今日は背中につけて来た懐炉が不必要なほどの暖かさだった。 帰りの世田谷線は異常に混んでいた。聞けば「ボロ市」とかがあるのでということらしい。世田谷で降りてみようかと思ったが、下高井戸で遅めの昼食を取って帰った。京王線で寝込んでしまい、高尾山口で眼が覚めた。ここでも降りようかと思ったが、ただ引き返しただけだった。 エリントンのキャラバンが今ラジオで鳴っていて、こういうような軽い転調が人生にもあればいい、そういう大げさなことではなく人生の一日のなかの数時間ほどの軽快さがあればいい、などと思う。 思うが、途中下車の楽しみを知らない男には無理だろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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