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詩人たちの島

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January 24, 2006
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カテゴリ:essay
「寒い」と言ったら百円の罰金、そういうゲームをやりたいほど寒い。夏は暑かった、「暑い」「暑い」とわめいていた。家の暖房費も記録破りだ。ここよりもっと寒い地方ではもっとひどい状況だろう、寒波も暖房費用も。毎日の天気予報をテレビで見るのがいやになる。暖かく着込み、めかしこんだお姉さんたちが、黄色い声をはりあげて「雪になるでしょう」「積雪は50センチ」などと得意げに喋っている。

彼女たちに罪があるのではないが、だれかに当たりたくなるほどの底冷えのする日々である。「魔女狩り」めいた臭いもしたのだが、そうではなかった錬金術師たちの逮捕もこの寒さとともに記憶されるのだろう。通常国会が始まったが、その冒頭の所信表明演説でこの国の首相は長々と自らの「改革」を自画自賛した。底冷えのする「底」には触れないで、いつものように上っ面の景気の暖流を精一杯寿いで見せたのである。そのあとでは「格差」についての、それがあるのかないのかという馬鹿馬鹿しい議論が野党のこれまた冷たい顔をした瓢箪のような党首とかわされている。

どんなに寒くても、絶対にこの寒さは永遠には続かない、これ以上確かな経験はない。しかし、政治の「寒さ」は、「格差」を作り出しておいて平然とそれの有無を議論できるような「うそ寒さ」は、建築物の骨組みを偽るのと同様にコスト削減の効率重視、儲け重視からする「酷薄な寒さ」以外のものではありえない。そしてその精神は「貧寒」としたものである。これらの「寒さ」は人災であるゆえに、天候よりも永続するように感じられるのだろうか?そんなことはあるまい。





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Last updated  January 24, 2006 05:33:13 AM
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