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But I would not feel so all alone,
Everybody must get stoned. というリフレンがとても気持を楽にしてくれるDylanの曲がある。これは片桐ユズルによれば「でも わたしはきっと それほどさびしくはなかろう だれでも一発やられるべきだ」と訳されている。つまり石で、ごつんとやられてしかるべきだというわけだ。石打つ、石打たれる、われに石を投げよ、というような語感かもしれない。 この二つのフレーズを最後において即興の詩をつくってみよう。 おまえは商取引のプロ中のプロとうぬぼれていた その腕を披露したくて、若い連中に狩りの話をする 母の乳首と父のペニスをやつらはとりちがえる おまえがひとりぼっちでいるとき やつらは石でうつだろう でも、わたしはきっと それほどさびしくはなかろう だれでも一発やられるべきだ おまえは深い川に自らの愛するすべてを埋葬した やがて渇水期には踊りたくなって、自慢話をする おまえの眇めの底にあるものを やつらは石で打つだろう でも、わたしはきっと それほどさびしくはなかろう だれでも一発やられるべきだ やつらは石を打って、口笛を吹いて、去ってゆくだろう おまえは白い自動車のなかで射精をくりかえし そのときやつらは激しく石をうつだろう どこから石を打つのか 車は粉々になり、川は緑の6月を豊かに流れる でも、わたしはきっと それほどさびしくはなかろう だれでも一発やられるべきだ また来るだろう やつらは厚い皮膚の下に石を孕み ただそれを打つために、この世のサイクルを回して 川に埋葬されたものを暴くために 昼の中で黙るものを やつらは石でうつだろう でも、わたしはきっと それほどさびしくはなかろう だれでも一発やられるべきだ こういう調子でいくらでも自動記述式に書いていたいが、そうはいかない。でも素敵ではないか、 But I would not feel so all alone, Everybody must get stoned. この2行は。 これはこちこち頭を当然打ち抜く、次に自慢屋たちの厚顔を、つぎに、いやこれが最大だが、「さびしい」と思っている「私」を完膚なきまで撃つ。中村とうよう氏はこれがこうであるために、これはドラッグ・ソングであると規定しているが、そういうことはどうでもよろしい。ただ、これを聴いていると楽になる。最低でいいよ、最低で死ねよ、寂しくていいよ、というような感じ。 清岡卓行が亡くなったという。 詩集があったはずだが。探したが出て来なかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 5, 2006 09:12:45 PM
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