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詩人たちの島

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August 3, 2006
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カテゴリ:essay
 久しぶりに、nytimes.comでコラムニスト、Maureen Dowdのコラムを読んだ。2日付けのもので、タイトルは”Mel’s Tequila Sunrise”というもの。酔っ払い運転でつかまり、その際、彼を逮捕したユダヤ人の警官に向かって、「ユダヤ人がすべてを動かしている」というようなanti-Semitic発言をし、それがまた反感を喚起して、こっちの方が有名になってしまったのだが、そのメル・ギブソンがユダヤ人のコミュニティの指導者と「one-on-one(一対一)の議論をし、適切な修復の道を見つけたい」、私を助けてくれ、というようなことを発言した。そのことを土台にして、コラムニスト、ダウドの意見と言うよりは、彼女が知っているユダヤ人の知識人、Leon Wieseltierという人にインタビューかなんかしたのだろう、そのLeonの痛烈なギブソン批判一色の紹介で、このコラムはまとめられている。

 これを読んで、アメリカにおいてanti-Semiticがこのような強烈な反批判を呼び起こし、ことによってはギブソンという俳優のこれからの生き残りを困難にするほどのものになるかもしれないということに驚いた。

 要するにLeonはギブソンの嘆願を拒絶するのである。次の発言は、彼の映画「パッション」に対する皮肉なのだが、その前に彼は、ギブソンを「ずっと悪質な異教徒(a very bad goy)だった」と切り捨てる。その後の発言、

―― ギブソンのような人間がユダヤ人にキリスト教徒のように振舞ってほしいと嘆願するのを見守るのは恵まれた機会というべきだろう。彼はわれわれがどんなに好戦的で、激怒しやすく、決して許すことのない民族であったかということを忘れたのだろうか。(これらの発言はパッションでのギブソンのユダヤ人描写に関する皮肉であろう、私は件の映画は見ていないが、そう推測する―ban注)、すべての戦争を始めたという民族がどうして平和を創れるというのか?おそらくギブソンは少々キリストを気取っているのだろう、ユダヤ人が最悪なことをしないように望みながら、ユダヤ人のさらなる嘆かわしい行動の証拠を自ら用意・立案しているのである。――

 ここまではわかるが、次の、Leonという人の発言にはびっくりした。
実はあの映画(パッション)がリリースされてから、彼ら(ユダヤ人)はギブソンのすべての行動を追ってきたというのである。
―― Take that cop who arrested Gibson. Do you think it was a coincidence that he was a Jew? We have been following Gibson’s every move since he released that movie. ――

 続いて、このことは神の思し召しであったとまでこの人は言うのである。
―― The other night, when our uniformed brother spotted him bobbing and weaving in his star car, we saw an opportunity and we took it. Don’t blame us. It’s what Yahweh would do. ――

ギブソンの勝ち目がないことは明白である。

ダウドは最初次のように書いて、このレオンという人の発言を紹介してゆくのだった。
「今や、切れやすいギブソン氏がアメリカのユダヤ人のコミュニティのリーダーからのガイダンスを嘆願しているのだから、私は私がたった一人知っている人に相談することを決めた。―Kaddish―の著者で、―The New Republic―の編集者でもあるLeon Wieseltier、彼はいかにメルが回復するのを助けるのであろうか」。想像上のガイダンスということだ。

Leon Wieseltierはもちろんメルを助けるのではなく、完全に突き放し、批判する。さすがに、モーリーン・ダウドもいかなる感情移入も控えて、レオンの発言を書いていくばかりで、この才媛にはめずらしいことである。最後にレオンは次のように言う。
「マッド・マックスはマックスをマッドにさせる、(MaxからはじめMurray, Irving, Mort, Marty, Abeの名を列挙し―これらはユダヤ人の典型的な名前だろう―ban注)彼らを怒らせる。しかし我々は完全に酷薄な人間というわけではない。もしギブソンがディナー・シアターでシャイロックの役を演じたいというなら、すばらしい。もし彼が彼の家のプールをカバラの水で満たそうと言うなら、許してもいい」。この激怒は私の理解を超えている。

ダウドは最後、この発言の後に、彼女らしい、公平さの感覚がよみがえったのか、次のように書いて、この後味の悪いコラムを閉じる。これは私がそう感じるだけかもしれないが。

「それから、レオンは余りに激したため話すことができなかった。アラム語でもぐもぐと何か呟いてそしてやめてしまった」。

彼女は、テキーラのせいにしたかったのか、それともこのコラムは全身全霊でLeon Wieseltierの方に加担しているのか?

しかし、Mel Gibsonは馬鹿な奴である、これだけは確かだ。






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Last updated  August 8, 2006 12:09:00 AM
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