カテゴリ:essay
昨日は午前5時起床で、午後8時帰宅だった。現役の高校生8人と奥多摩は「御前山」に登ったからである。
拝島駅7時半頃の奥多摩行き列車は、日曜日にもかかわらず、異常なほど混んでいた。4両連結という車両の少なさに文句を言いたくなるが、ここは静かな山を目指しているのだからと気持をなだめる。 しかし、奥多摩までの一時間、のべつまくなしに喋りつづける人々、その多くは、私みたいな年輩だが、それにはがっかりする。テレビやラジオやケータイから解放されるために、少なくともぼくの気持ではそうだが、山に向う。 喋らないこと、とくに議論しないこと、とくに情報を相互に伝達しないこと、たとえば、だれそれが、どうしたこうした、キレットがどうのこうの、昔はどこそこに登ったなどなど。これが山行に参加するものの最低の戒律であると、ぼくは信じている。ところがこの中高年は隣で沈思黙考にふけるぼくを無視して、拡声器のような大声で延々とダベリつづけるのである。 静かに!静かに!とぼくは祈りながらも、自分がキレそうになるのを押さえた。 御前山までの道のりは険しかった。ぼくは完全にダウンした。こんなことは初めてであった、これは嘘、2回目か。元気な高校生たちに、「あとからちゃんとついていくから、先に行って」などと弱音を何回も吐きながら、要所要所で待っていてくれる彼らに助けられて、やっとのことで、頂に立ったのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 28, 2007 10:58:05 PM
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