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詩人たちの島

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June 20, 2007
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カテゴリ:essay
―誠実、花咲いては愛情、仕事にありては敬意、燃えては青春、夜、夜、ものを思うては鞭、誠実、このぎりぎりの一単位のみ跡に残った。― 今官一へ。

 川沿いの路をのぼれば
   赤き橋、また ゆきゆけば
     人の家かな。

 昨日は桜桃忌だった。59回目の命日か。太宰も生きていれば99歳、義父より3歳年長の人に過ぎない。上に書き写したのは、昭和11年、「晩年」を発表したが芥川賞を受賞できず、パビナール中毒で苦しんでいたころのものだ。翌12年には初代さんと水上温泉にゆき心中をはかることになる。未遂に終り、彼女とは離別する。都の副知事を受諾した男の書いたものよると、これも太宰の処世上の難局を切り抜けるときの必殺技ということになるのだが、この副知事I氏は自らの処世術をどう心得ているのか。とにかく太宰論をものした男が、ときの権力に擦り寄っている(そうではないというだろうが)のを見るのはまさに「あさまし」というしかない。知事・副知事コワモテコンビで頑張ってください。

 冥土の太宰よ、きみの生は、きみが演じた幾多の恥知らずなパフォーマンスを超えて、その瞬間の寂しさや無残さの極みで、その光芒を失うことなく、今、ここにある「不誠実」を鋭く照射してやまないのである。

 亀井勝一郎へ
― 朝日を浴びて赤いリンゴの皮をむいている、ああ、僕にもこんな一刻。―





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Last updated  June 20, 2007 09:45:45 PM
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