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詩人たちの島

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June 28, 2007
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カテゴリ:essay


桜美林大学という所に出張で初めて行ってみた。その昔の高校の山岳部の部員で、まじめなW君がこの大学だったのを思い出した。彼は、在学中のころ、僕を母校に訪ねてきて、「だれとも話が合わないんです、幼稚すぎて話題についていけません、どうしたらいいでしょう」などと僕に真剣に悩みを打ち明けたことがあった。そういうことを思い出した。そのとき答えた僕の答えを今も思い出す。「そういうふうに周りの学生をきめつけてはいけない。きみは一種の独我論に陥っているのだよ。もっとこころを開きなさい」。この答えも今考えてみれば、彼のさらなる孤独を加速させたものにほかならない。

しかしW君は努力して、中国の大学に留学し、今はある新聞社に勤めている。彼のことばを思い出しながら、学生諸君を眺め渡したが、ウーンと僕もいうしかない。ただの印象に過ぎないのだが。しかし、なかでカメラをかつぎながら映画のようなものを撮っているグループの学生たちは、どこに出しても遜色がないと思われる。つまり、いろんなレベルの学生たちがいるのだということ。



僕自身の学生時代を振り返ってみて、偉そうなことは何一つ言えない。先日の、大学などでのハシカ騒動のとき、カメラのまえで、学生が、「今日来てみたら、急に休校ということで、ビックリしました」などと応えていたが、僕たちの頃は、毎日が、いや「永遠に」「休校」状態が続いているというような時代だったので、この反応には女房と二人で笑ったものだ。そういう学生生活を送ったのだ。



現在、どの大学も生き残りをかけた競争の渦中にある。そういうことの一環として今日の「会議」もあったのだが、ほとんどぼくより若い高校側の出席者の発言を聴いていて、今から何年もやっていかなくてはならない人たちは大変だなという無責任な感想をもつほかには新鮮な意見はぼくには全然なかったのである。



高校も大変、大学も大変、これが実情であろう。ちょっと感動したのは最寄の駅から5分おきくらいに発着するスクールバスである。誰何されることもなく乗ることができる。帰りのバスは付属の中高生で鈴なり状態だったが、彼ら彼女たちは、学生にくらべてとても感じがよかった、品があった。



それにしても、ぼくは何をしているのだろう。






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Last updated  June 28, 2007 09:44:12 PM
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