カテゴリ:essay
鬱陶しい梅雨空のもと、鈍い動きの体をもてあまして、日曜日を過ごした。土曜日は国立に出て、そこに引っ越した息子と昼飯を食べた。その店に買ったばかりの本を忘れるという失態を演じる。還暦間近の人間だから仕方がないのかもしれない。久しぶりに車を運転したが、逆走もすることなく、こっちはわりとスムーズだった。だったね、と隣のカミサンに帰りの車の中で話している最中に、道を間違えた。
増田書店の前のベンチで、女房と二人で、息子を待ちながら30分以上読書した。40年前、われわれ二人は学生で、こういう時が来ることなどつゆ予測することなく、あてどもない青春を浪費することに手一杯だった。もっともっと小さかったね、この本屋は。邪宗門やロージナで一杯のコーヒーでねばりにねばり、まだある残りの時間を一橋大のグランドで、胡瓜とジャイアントビール一本をどうにか都合して酒盛りをしながら過ごしたことを思い出した。あのとき一緒だった田村や小林は今はどうしているのだろうか?それにしても時間だけは腐るほど豊富にあった頃のことだ。 話が昔話になりがちなのは、最近読んだ本のせいか、それとも年齢のせいか。明日は一日中、退職説明会とやらに出なければならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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