カテゴリ:music
最近のお気に入りは、シューベルトの「アルペジオーネ・ソナタ イ短調」。ヨーヨー・マと、ピアノはエマニュエル・アックスという人。先日、「阿Q」ラジオで、ロストロポーヴィチのチェロで流れていたのを聞いた、ピアノはなんとベンジャミン・ブリテン。1968年のDeccaレコード。いいな、と思って、かみさんにCDある?と尋ねたら、わが家にもあるといって、持ってきたのが、Sonyのこれ。―ピアノ五重奏曲「ます」―と、アルペジオーネ、それに―歌曲「ます」―を、バーバラ・ボニーというソプラノ歌手が歌っている。その三曲の収録されたCDである。
アルペジオーネはロストロポさんのような嫋嫋たる抒情性はあまり感じられないが、マさんの清潔な、なんというか上品このうえもない響きも捨て難い。得てして、最初に耳が捉えたときの感動から逃れ難いから、ちょっと違うぞと思ったが、何回も聞いているうちに、マのものでなくてはいけないというような感じを傲慢にも抱いてしまうのが素人である。つまり、単にロストロポーヴィチのものがここにないので、聞けない、比べられないということにすぎないのだが。 この寒さのなかで、頭もかじかむ。心もかじかむ。そういうとき、失われたアルペジオーネという楽器のことを思い、それのためにシューベルトが作って、今に残っている曲を聴く。あるいは同じCDにある、曲と歌が、かなでる「The Trout」を聴く。春に遡上するために、鱒たちはこの寒さを不眠症で耐えている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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