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詩人たちの島

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January 30, 2008
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カテゴリ:essay
気づくと、締め切りが二つあって、呆然としている。週末になんとかしなければいけいない。いけないのに、頭が働かない。

サイードの「文化と帝国主義2」の後半部を読み終わり、少し元気を出す。彼が引用しているものにとても素晴らしい文章があった。忘れないように書いておこう。

12世紀の修道士、サン・ヴィクトルのフーゴー(1096-1141)のもので、サイードはこの文にいつも立ち返り、そこから勇気を汲むという。

―― それゆえ、修練をつんだ精神にとっては、眼に見えるはかない物事のなかに放浪する術を最初に少しずつ学ぶのは、大いなる美徳の源ともなるのだが、それはそうすることで、そうしたはかない物事を置き去りにして進むことができるからである。

 彼自身の故郷を愛おしむ者は、まだ未熟な初心者にすぎない。あらゆる土地が彼自身の生まれた土地であると思える者は、すでに強靭である。けれども全世界を外国とみなすことができる者は完璧である。

 未熟な魂の持ち主は、彼自身の愛を世界のなかの特定のひとつの場所に固定してしまう。強靭な者は彼の愛を、あらゆる場所に及ぼそうとする。完璧な人間は、彼自身の場所を抹消するのである。  ――

いかにもサイードの好みそうな文句だ。偏狭さや固着が、それじたい悪いとは言い切れないが、それを否定する強さを持たなければ、未熟なままで、なつかしい故郷ともども腐ってしまうだろう。普遍にわたる経験に自らをさらすとは、自己自身をどこまで追放できうるかにかかっている。exileの主題はサイードのみならず、このグローバルな時代に課された普遍的なものである。





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Last updated  January 30, 2008 09:42:08 PM
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