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午前7時~10時までと、中抜けで午後1時から10時まで、ひたすら働きました。
1ヵ月半で休みは1日しかなく、中抜けの時間も着物類の洗濯などに追われます。
毎日ヘトヘトでしたが、お客様の笑顔に支えられました。
着物も自分で着られるようになりました。毎日温泉に入れたのもありがたいです
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若いとは素晴らしいもので、このような生活でも夜中、みんなで遊んでいました。
ホテルの周りには何もないため寮で飲み会したり、社員の男の子たちの車に分乗して
ボーリングや空き地で花火したりなど、社員とアルバイトの仲がとても良く、 青春を謳歌していました。 かなり寝不足でしたが...
ある日、ある社員さんの車で遊びに行ったときのこと。
「もし事故ったら、私たち一緒に新聞に載るね!」誰かの、ほんの冗談のひと言でした。
一週間後、そのとき運転していた男性は、本当に新聞に載りました。お盆のことでした。
4人で深夜遊びに行っていて、山のカーブが曲がりきれず崖に激突。
3人が死亡、一人が重傷。第一発見者は、皮肉にも後発組の社員たちでした。
亡くなった一人はホテルの社長の一人息子で、あとを継ぐ予定でした。
私は、この日誘われていたけど翌日着る着物の洗濯が終わっていなくて、行かなかったのです。
まさに命拾いです。鳥肌が立ちました。とても悲しい出来事でした。
きっと3人は天国で仲良くしていると思います。
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この仲居の仕事で、私は腰を痛めました。重いものでも、忙しいのでつい無理に勢いで
膝を折らずに持ってしまうのです。布団敷きも、仲居一人ではかなりの重労働です
お布団だけは男性従業員2人ペアで敷きに回ってくるホテルもあるくらいです。
肉体的にはとてもしんどい仕事でしたが、お客様との出会いがうれしく、楽しい仲間もいて、
このアルバイトは後にも土日や年末年始、ゴールデンウイークなどの連休に通い続けました
大学3年のGW辺りまで続けましたが、大阪でも別のアルバイトをしていて、
そちらに本腰を入れたかったので辞めました。
常連さんも多い、商売上手な素敵なホテルでした。 現在もきっと、ますます繁盛していることでしょう