本屋で思わぬ掘り出し物を発見－－。２１日、俳優の宇梶剛士氏の自伝『不良品～オレは既製品じゃない！』を買い、あっという間に読み切りました。著者が歯車の狂ってしまった半生の中で、何度も自己を省み、人の痛みを知る人間として成長する姿に惹かれました。何の気なしに手にした割に読み応えがあり、良い作品に出会えたという晴れやかな気分になりました。

「不良」というレッテルを貼られ、少年院入所など「暗闇」を彷徨いつつも、夢を持ち、「光」のある場所に這い上がろうとする著者の気持ちがよく伝わってきました。中でも、刑期短縮に駆け回った少年院のスタッフの信頼を一度は裏切りながらも、同じ過ちを繰り返さないと誓い、それを片時も忘れずに行動する件に胸を打たれました。

生きていくうえで図らずも、人の信頼や期待に背いてしまうことは誰もが持つ経験でしょう。ただ、この時の相手の「痛み」を噛み締め、教訓として次につなげられる人は、ほんの一握りと言えそうです。この作品は、それを改めて教えてくれたような気がしました。これからの生き方に関するアドバイスと受け止め、いろんな場面で生かしたいところです。

この思いを知り合いに伝えると、苦笑いしながら一言：

「相変わらず、その類の苦労話に弱いんだなぁ」

予想していた言葉だったので、僕は「おう、弱いぞ。それが文句あるのかね？」と、ニヤリとしながら開き直りました。。。