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テーマ:日々自然観察(10123)
カテゴリ:昆虫(バッタ、コオロギ、キリギリス)
上の写真はビョウヤナギの花に居た2齢幼虫である。この日は風が強かった。サトクダマキモドキの触角は、成虫も幼虫も非常に長い。やはり風が強いと、触角に加わる刺激が強過ぎるのか、或いは、傷つけられたりすることもあるのか、写真の様に触角を体の側に寄せていた。こう言う格好をしていることは、滅多にない。
初齢幼虫は群を成すと言うほどではないが、2~3頭が直ぐ近くにいることが多かった。これはその後も同じで、全体の頭数が次第に減って来たので見る機会は少なくなったが、時折上の写真の様な光景を見ることがあった。 この幼虫、どうも良く分からないのだが、3齢ではないかと思う。体側の斑紋に2つあった黒色斑が1つになっており、その他の不明瞭な斑は無くなっている。撮影したのは6月24日。最初に見付けたのが5月20日だから、35日は経っている。3齢になってもおかしくはないと思われる。 留まっている木は、外国産のミツバツツジで、威勢が悪く葉が黄色になっている。余りに黄色いので、少し黄色を押さえた結果、虫の体色が実際より緑に寄ってしまった。
高いところでジッとしてる習性はその後も変わりがない。上の写真では、ドウダンツツジの徒長枝の上で、下向きになったままジッとしている。この徒長枝は、ベランダの椅子に座るとよく見える位置にある。一服する度に確かめてみたが、一日中同じ様にして居た。相変わらず、カマキリの幼虫と似ている。
こうした習性は、捕食性昆虫のすることの様な気がする。しかし、シャクナゲの葉の付け根で下を向いて居たりする(上の写真)こともある。この場合、もし他の昆虫が来るのを待っているのならば、もう少し葉の先の方で待ち受けなければ、獲物を捕まえる機会は少ないだろう。どうも良く分からない習性である。 写真の幼虫の触角は、一本は真っ直ぐだが、もう一本は横を向いている。これは、このサトクダマキモドキの幼虫が警戒しているときに取る行動で、普段はその前の写真の様に2本とも真っ直ぐである。写真を撮るために近づいたので、警戒し、一本を横に振り向けたのである。何故、こう言うことをするのかはこれまた良く分からないが、何時も同じである。
初齢幼虫は体長5mm程度であった。キチンと計っていないので不正確だが、この頃には12mm位には成長していたと思う。数は次第に減り、7月に入ると遂に1頭だけになってしまった。上の写真は、一寸枯れかかったヒメリンゴ(コリンゴ?)の葉上でジッとしている最後の個体。 これまでもそうであったが、サトクダマキモドキの幼虫は、雨風の強い日があると、必ずその数を減じた。風雨位で死ぬとは考えられないから、何処かへ避難した後、今まで居たところとは別の所に移動してしまうのだと思われる。この個体も、風雨の強かった日(上の写真の数日後)を最後に姿を消してしまった。 気象庁の「過去の気象データ」を参照すると、東京(大手町)では7月4日にかなりの雨が降っており、風も最大風速11.8mを記録している。多分、この日がその姿を見た最後の日であったのだろう。
その姿を消したサトクダマキモドキの中の1頭かも知れない個体が先日現れた。その次の日にはもう居なかったから、何処か別の所からやって来た個体なのかも知れない。だが、本来我が家に棲み着いており、まだ背の高い高いクリやヤマモミジの木の何処かに居る可能性も否定は出来ない。 何れにせよ、気分的には、これでサトクダマキモドキの生活環に関しては一巡したと言う感が深い。 ところで、サトクダマキモドキと一緒に居たハラビロカマキリの幼虫がどうなったかも、ついでに書いておこう。 写真は撮っていないが、3齢に達すると体の幅がずっと広くなり、脚の縞模様が殆ど無くなった。しかし、お尻を曲げてピンと立てるのは相変わらず同じである。行動範囲が拡がって、最初にいた辺りからかなり離れた場所で見ることが多くなり、やがてサトクダマキモドキの幼虫同様、その姿を消してしまった。 9月の中旬になってハラビロカマキリの成虫が出現した。しかし、この個体が我が家で生まれたチビカマの成長した姿である可能性は低い。サトクダマキモドキはこの辺り(東京都世田谷区西部)ではかなり稀な虫であるのに対し、ハラビロカマキリは毎年やって来る普通種だからである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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