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テーマ:日々自然観察(10123)
カテゴリ:昆虫(バッタ、コオロギ、キリギリス)
先日、「虫探検広場」の5月19日(2010年)の投稿記事に、9月に捕まえたオンブバッタを飼育したところ、まだ生きている、と云うのがあった。オンブバッタは卵越冬である。だから、成虫は初冬にはあの世へ行ってしまうのが本来なのだが、条件が良ければ随分と生き延びることが出来るらしい。クビキリギスは、本来オンブバッタよりも長生きの出来る成虫越冬である。条件が良ければもっともっと生き延びるのかも知れない。
クビキリギスはキリギリス科(Tettigoniidae)に属し、九州大学の日本産昆虫目録、東京都本土部昆虫目録、北隆館の大圖鑑などを見ると、クビキリギリスとなって居る(保育社の昆虫図鑑下巻ではクビキリギス)。冒頭で、「バッタ」と「」に入れたのは、バッタ(バッタ科)では無いからである(クビキリギスをバッタなどと呼ぶと三枝先生のお叱りを受ける)。しかし、私はどうもこの連中(直翅目)が好きではないので、皆引っくるめて「バッタ」と呼んでしまう傾向がある。
昨日は非常に天気が良かったし、被写体は大きいので、自然光でも撮影してみた。2番目と3番目がそれだが、自然光だけで虫を撮るのは、私としては極めて稀なことである。背面からのは、丁度撮影者(私)の陰になってしまうので、仕方なくストロボを使った。接写の方は、レンズが100mmだから、ストロボを使わなければ撮影出来ない。 自然光の方が緑色が自然に写る。しかし、頭部や胸背の陽の当たるところは白っぽくなっているのに対し、陽光にほぼ並行する翅の部分は暗くなり、光ムラを生じてしまった。こう云う時は、ストロボを銀レフ的に使って、横から少し光を足してやる必要があると言える。
クビキリギスの大きな特徴は、上の写真の様に、「口が赤い」ことである。しかし、上の写真には赤い部分の他にも何やら色々とややこしい構造が見える。 以前から「バッタ」の口器はどうなっているのか少し気になっていた。其処で、北隆館の図鑑にバッタ(本当のバッタ)の頭部の模式図を参考に、これらの「ややこしい構造」が何かを調べてみた(バッタ科とキリギリス科で基本的な違いが無いと仮定)。 下の写真で、1:赤いのは大顎(大腮)、2:上唇、3:小顎(小腮)、4:??、5:小顎鬚(小腮鬚)、6:下唇鬚、となる(7は前肢の取れた傷口)。小顎鬚は非常に長く、クネクネと続いている。4はどうも良く分からない。位置的には下唇なのだが、これは写真では上から下へ延びる構造である。4の構造は逆に下から上に牙の様に飛び出している様に見える。下唇鬚は多分間違っていないと思う。この下唇鬚が下唇から分岐する所が見えれば下唇の位置が良く分かるのだが、丁度その部分が小腮鬚の影になって良く見えないのである。
今日は、ガガンボの美麗種を見つけてしまった。ガガンボにもこんな美形が居るのか、と云う位綺麗な虫である。乞う御期待!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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