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テーマ:日々自然観察(10123)
カテゴリ:昆虫(バッタ、コオロギ、キリギリス)
先日、虫集め用に買ってあるコスモスの花弁(舌状花)に、キリギリス類の若齢幼虫が居るのを見つけた。体長は5mm程度、良く見てみると、以前掲載したことのあるサトクダマキモドキ(Holochlora japonica:キリギリス科(Tettigoniidae)ツユムシ亜科(Phaneropterinae))の初齢幼虫であった(他に2齢、2~3齢もあり)。 サトクダマキモドキは卵越冬で、初齢幼虫が出没するのは5月下旬、今頃はとっくに成虫になっている筈である。何故、こんな時期に初齢幼虫がいるのか?? 同じ虫を重複して紹介しないのがこのWeblogの基本方針だが、季節外の出現なので、特に掲載することにした。
これまで、このWeblogでサトクダマキモドキの雌と雄の双方を紹介しているが、雌の方は9月22日、雄は9月30日に撮影したものである。しかも、前者はもうかなり弱っていて、余命幾ばくもない、と云う感じであった。
サトクダマキモドキは、産卵管にあるギザギザの部分で小枝に長い列状の傷を付け、其処に多数の卵を整然と産み付ける。かなり細い枝に産卵し、しかも傷が深いので、それより上部の枝が枯死することが屡々あり、果樹やバラ栽培などの園芸家には害虫として嫌われている。 多数の卵を産み付けるのだから、孵化した幼虫も、以前紹介した様に、狭い範囲に多数が見られて良い筈である。しかし、今回はこのコスモスの上にいた個体1頭のみで、幾ら探しても他には見付からなかった。
ところで、サトクダマキモドキはいつ頃産卵するのだろうか。Web上で調べてみると、既に8月下旬に新しい産卵痕が見付かっている例がかなりある。今は10月下旬、8月に産卵した卵の一部が、その後の高温でおかしな事になり、越冬せずに孵化してしまったものと思われる。
サトクダマキモドキの幼虫は、以前観察した時と同じく、昼間は同じコスモスの花の上で一日中ジッとしていた。しかし、次の日の朝ベランダに出てみると、もうその姿はなかった。 今頃はどうしているのか、次第に寒くなるこの時期に何時まで生きていられるのか、自然の摂理に従う意外に道はないが、些か気になることではある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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