やまとなでしこの格闘技デビュー記

私が道場に入門した頃、
茶帯を締めていたその若い男性は、
今年の春に昇段して黒帯になりました。

いつも、
誰よりも早く道場に来て、ランニングを済ませ、
筋トレをしながら他の生徒さんを待つ彼は、
月曜から土曜まで、毎日欠かさずお稽古に出て、
私たち後輩を、とても熱心に指導してくださいます。

そしてお稽古後も、必ず一番最後まで残って、
ミットやスパーリングの練習に打ち込んでいらっしゃいます。

その一途なお姿は、まさにミスター空手道


そのミスターが、先の土曜日、
東京で試合に出場されました。
その結果を今日、彼に伺ったところ、
残念ながら「あと少しで入賞、というところで」
敗退してしまった、とのことでした。


「負けちゃいました！」
そう言って軽やかに笑った切れ長な瞳の奥に、
私は、彼の決意を見たような気がしました。

きっとミスターは、
これから、ますます強くなられることでしょう。


ミスター。
次の試合こそ、ご武運お祈り申し上げます