北京五彩繽紛～Colors of Beijing

国土交通省のシステムに異常が発生して、
成田空港の管制に支障が出ているのも知らず、
イミグレーションを通過した。

機内に乗り込んでもいつテイクオフできるかわからないと
放送されたにも拘わらず、
30分程度で機体は日本の地面から浮き上がった。
そして定刻より遅い時刻に到着すると思われたにも拘わらず、
ちゃんと定刻に北京の地面に降り立った。


そして私もしばらくぶりに中国の土地に足を踏み入れた。

北京に行く日が近づくと憂鬱になって、
日本を離れる前に散々後ろ髪引かれる思いになったのに、
北京空港に着いたら、ごくごく普通にカートを押して、
友人宅を目指そうとする自分がいた。
友人宅に着くと、北京を離れる前に私を送り出してくれた顔があった。

場所を移動するのって不思議だ。
時間は確実に一本のリボンのように連続しているはずなのに、
3ヶ月前と今がじかにつながっているかのように、
記憶がその場を離れた時点までリセットする。

とはいえ、今の北京で3ヶ月は長い。
短時間に私の知らない風景ができあがり、
私の知らない事実が進行している。
この街の変化の速さに時間にひずみがあるのを確証した。

着いて早々なのに、1日休んだら翌日から仕事。
前泊するホテルに向かうタクシーから、
久しぶりに北京の夕景が見えた。
夕日のオレンジを和らげる北京のガスった空。
そこに浮かぶネオンサイン。

今何ができて、何をしておくべきかいろいろ考えた。
MP3から聴こえるコブクロの「ここにしか咲かない花」が
情景に妙にハマって、涙が出た。
いつからこんなに涙もろくなったのかなあ。

また明日も何かが始まるんだな。