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カテゴリ:中国という国
長い一日だった。
終わりたくても終えられない一日。 多分、1回のエントリーじゃ書ききれないから、分けて書こう。 今日から日本のTVクルーと行動を共にすることになった。 私は涼しいお部屋でビール片手に 開会式をわいわい言いながらNHKの中継で見たかった。 でも仕事。 それも鳥の巣の周辺取材である。 「明日は出歩かないほうがいいです」という忠告メールを朝もらったけど、 よりによって一番のレッドゾーンに行かねばならぬ。 中国のセキュリティーに私の命がかかってる。 ・・・なんてな。 6時過ぎタクシーに乗ったら、すんなり鳥の巣に着いた。 周辺には観覧に訪れた人、雰囲気を楽しみたい人がごちゃまぜになりながら、 フェンスの向こうの鳥の巣をバックに写真を収めている。 しかし、これが時間が経つと様子が変わってくる。 6時50分頃: 別の角度から鳥の巣を取りたいので、東側ゲートに近づこうと思ったら、 「チケットは?これ以上は行ってはいけない」とガードマンが行く手を阻む。 え、今目の前の人、通っちゃったけど。 そんなことをやっていたら、さっき渡った横断歩道を戻れなくなった。 「チケットは?」とまたガードマンが聞く。 中国語が聞きとれないふりしてみたけどだめだった。 そんなことしているうちにどんどん立ち入り禁止エリアが拡大していく。 7時5分頃: 中にチケットのない人もいたけど、その人たちを締め出す動きが始まる。 チケットかIDパスがないと通してもらえない。 かわいそうなのは、家族や友達がチケットを持って中にいて、 受け取れないまま締め出しを食らっちゃった人たち。 多分中に一度入ると、もう出られない仕組みになってたんだろう。 7時半過ぎ: ガードマンが横一線に並びながら、「走了、往前走了(行って、前に行って)」と言って、 チケットなしの人たちを追い立てる。 なんか無機質なロボットに追い立てられているみたかった。 その脇を、チケットを持った観客が涼しい顔で逆走していく。 なんだかチケットを持ってる人はお客さんだが、 持ってないとどうでもいいみたいなところが、 中国社会の縮図をみているかのようだった。 7時40分頃: 立ち入り禁止区域はスタジアム敷地のフェンスから 500メートル以上離れた北辰橋まで広がる。 ここまで来ると鳥の巣の影も形も見えない。 しかしここで帰ろうって中国人はいない。 たまたまそこに自転車に乗った二人組みがいたので話を聞いたら、 北京郊外の密雲から3時間かけて来たという。 チケットがなくても現場の雰囲気を味わいたかったんだと。 排除されたことに関しては「安全のためだからね、しょうがないよ」と。 何人か質問してみたけど、排除に関してはほとんどが同じように当然と受け入れているので、 この段階で押し問答することはないのだが、 むしろ私が同行した日本のディレクターさんがこうした対応になれていなくて、 公安に指差されたことにムッとしたり、納得できなさそうだった。 その後、高架の下をくぐると、一段高くなっているところがあって、 そこへ人がなだれ込んでいく。まさに雪崩のように。 8時: レーザーの演出が始まったかと思うといきなり花火が! おおおおー!と歓声が上がる。 この花火を契機に、人の集まりが加速する。 次々背後から集まる人で、歩道は溢れかえって車道を塞ぐほどに。 もうロープを張ろうがなんだろうが、我先に我先にと空間を求めて人が前に出て行く。 中国人は水って話を聞いたことあったけど、納得する光景だった。 そのものでは形を成さず、すき間があればそこへ滑り込んでいく。 気がつけば頭上の高架の上は人が溢れる。 薄暗がりに花火の方向に向かって並ぶ無数のデジタルカメラが、蛍火のように見えた。 つづく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.09 16:16:18
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