私xiaomi。職業「・・・・」
北京であるものを紛失した。 そのときに、日本の警察にも届けたほうがいいとアドバイスされ、地元の警察に言って届出をする。 「中国でなくしたんだったら、まずこっちに戻ってくる可能性はないでしょうけど」とは言われたが、書くだけ書けば気が済むので、刑事さんに届出を書いてもらう。 しかし、いきなりヘンなところで躓く。 例えば、遺失物の届けはこのような書き出しになるらしい。 「会社員である私、○○○○は、・・・」。 そこで職業をたずねられる。 刑:「会社員ですか?主婦とか、無職とか」。 ・・・・・なんでしょうね、私。しばし沈黙。 自営のようなものなんだけど、日本で営業しているわけでもないしな。 私:「会社に所属しているわけでじゃないから会社員じゃないんですよ」 刑:「じゃ、派遣ですか?」 私:「うーん、フリーランサーなので。」 刑:「フ、フリーランサー??? 」私:「仕事の依頼のあった会社から報酬というかたちでお金をいただいてます。 複数から報酬をいただくこともありますが」 刑:「う~ん、私にはよくわからん話ですね」 私:「わかりやすいのが、フリーのジャーナリストとか、ライターさんとか、 ああいうやつです」 刑:「ああ、そういうことねえ。じゃ、どう書きましょう?」 私:「もうそれじゃ、めんどくさいから“無職”ってことで」 というところで落ち着く。 そう、私、今日本で“無職”ね。 刑:「で、結局中国で何をなさっているんです?」 私:「簡単に言うと、現地の日系企業で働いている中国人にビジネスマナーを教えています」 刑:「中国人なんですね?」 私:「ハイ、中国人にです」 そんな会話のあと、届出にはこう書かれた。 「無職である私、(xiaomi本名)は、中国で中国人にビジネスマナーを教える仕事をしています。2007年2月・・・・。」 北京にいるときは全然気にならないのだけれど、 つくづく地元で、私はマイノリティ中のマイノリティな日本人だと気づかされる。 うちの父は、仕事が何かと人から尋ねられて、説明できないらしい。 ともかくフリーランスの概念がないから。 結局“下請け”くらいのイメージしか持てない模様。 まあ、それで他人に説明されても、私、かなり怪しい人でしかないし。 おまけに日本の法律の観点で考えても、私のポジションは理解しづらく・・・ ・・・ある意味、私ってすごいと思った。