超日本的な場所での超中国人的行動
ここは中国で、周りは中国人だからわかっているはずなんだけど、どうも生真面目日本人としては「なんでそうなるんだよー」と思う瞬間がある。そして、こりゃまだまだ改善の余地があると思う、そんな瞬間。舞台は東三環南路沿いの王府井洋華堂。店に足を踏み入れた瞬間、本当にここは北京?と思うくらい、ローカルのスーパーに比べて店内が明るくて、陳列が見やすくて、清潔で、品揃えがうれしくて、従業員も丁寧だと思う。今日カートを押してエスカレーターを降りていたら、近くに住むと思われる小学生らしい日本人の男の子二人組が、私のすぐ後ろで日本語で会話をしていた。周囲の中国人の会話が耳に入らなくて、中国語のサインが目に飛び込まなかったら、日本のスーパーにいるような錯覚に陥りそうだ。そう考えていた約10分後、やっぱりここは中国で、そこに住んでいるのは中国人なんだと実感した。夕飯前の時刻のレジの混み具合は尋常ではない。列の最後部が陳列コーナーまで延びているなんていうのは北京では当たり前。そんなに珍しいことじゃあない。でもその混雑の原因が日本人の作る行列とは違う。中国人はカートが大好きだ。そんなに物を買うつもりがなくてもあのでっかいカートをがらがら押す。洋華堂のカートは、カルフールにあるようなばかでっかい8歳の子供でも納まるサイズ(本当に中国では子供がよくカートに入っている)ではないけれど、店に入るなりほとんどの客がカゴが乗るサイズのカートを取って売り場に入っていく。そしてレジに並ぶ。レジは手前まではカートが2台ほど並ぶほどの幅があるのだが、レジ直前で1台しか通過できないようになっている。私が並んだ行列のレジの手前で誰かがカートを1台放置していった。するとその後に並んだ全員が、自分のカートからカゴをそちらに移して、前の人の精算が終わるのを待つようになった。すると自分が今まで使っていたカートはどうなるのか、というと、空いているスペースに次々置き捨てするのである。置き捨ても日本の駐車場のカート放置場のようにまとめておけばいいものの、完全に随便に放置である。そんな具合で本来ないはずの場所にカートがどんどん増えて、レジ前が余計に混雑しだした。それでもレジに並ぶ人はカートと置き捨てしていく。右にも左にも・・・。それを見ていたらなんだかムカついたので、私はついカートを整理してしまった。例のレジ手前に放置されたカートもちょっと寄せればもう1台カートが脇を通り抜けられるので、私はそのカートを奥に押し入れて自分のカートでレジを通過した。袋詰めするコーナーに行ったら、今度は台の上がカゴだらけだった。同じ台をつかっていたおばちゃんは自分のカゴを乗せるために空のカゴを脇にどけただけで、絶対整理しない。私はまたムカついたので、台の上のカゴを全部重ねて整理しはじめた。おばちゃんは変な顔で私を見ている。店員がやってきて私のまとめたカゴを受け取って、さらに私が貰ったポリ袋が多すぎるので、「これ、いらない」と言って渡したら、「ありがとう」という声が返ってきた。店員からしたら、私は親切で道理のわかる客に違いない。それにしても、本当にこの人たちはその場のことしか見てないというか、絶対肉食動物的な視覚の持ち主だなあと思った。これじゃあ北京の交通は混雑するし、環境破壊は起こるし、ビジネスに支障は出るよ。でもね、だからチャンスなわけで。まだまだ日本人の入る余地があるって。これから毎日混雑する時間帯に、日本人で大集団で行って、カートとカゴを整理しながらレジで精算してたら、・・・いろいろ変わるかもよ。