北京の焼き鳥屋で~女性限定編
また焼き鳥を食べた。つくねとねぎま、かわ、レバー、砂肝、それにしいたけ、なす、ピーマン。さらには数え切れない本数のぎんなん。公表された中国国内での鳥インフルエンザによる死者が3人に増えても、ここにいる日本人女性たちにはあまり影響がない。「70度以上の熱を加えれば影響がない」という中国衛生部の発表を素直に信じている(笑)。中国にいて中国語もできて、中国人スタッフとも仕事しているとはいえ、自分をOFFモードにしたとき、やはり日本人は日本人と一緒にいたいところがある。でもどんな日本人でも構わないというわけではなくて、当たり前のことながら、共感できる価値観を持ってくれていないと、気を許すのは難しい。性別というのも価値観を形作る大きなカテゴリーで、北京にいて働いているということ以外に、この部分でシンパシーを感じる人間を見つけ出したいと思うのも自然である。そんな意味で、現地での仕事を持つor留学生の女性だけで焼き鳥屋に集まる。参加条件は、日本人、飲む雰囲気が嫌いではない、そして女であることが必須。なぜなら、相手が女性じゃないとできない話がやはりあるから。狭い北京の日本人社会の中で、女性たちはいつも顔を合わせている気がするけれど、女だけで、男性が一緒だとできない相談を心行くまでする機会は案外少ないみたいだ。だからこんな企画には二つ返事で乗ってくる。たとえそれが自腹だったとしても。そして色気の“い”の字さえなかったとしても(笑)。そして話す中から、互いが似ているようでありながら、各々が全く違う環境と価値観で中国と拘わっている一人の女性なのだと気がつく。焼き鳥をつついているうちに、揃ってうまいラーメンが食べたくなってきた。早速、北京在住の日本人の間で高い評価を受けているラーメン屋「瓦屋」へ向かう。が。「ちょぉっとぉ、閉まってるじゃん!!」。店の前まで来たらなんと、店は暗く、ドアが閉じている。そしてそこに張り紙が。「ビル工事により、22時までの営業とさせていただきます」…。ちょっと待ってよ~。完全なラーメンモードだっただけに、みんなでしばし立ち尽くす。しょうがない、場所を変えて飲みなおすか。気持ちを切り替えて、またタクシーを拾う。そして北京の闇にまたまぎれる。そんな北京の大和撫子たち。現在増殖中。