西紅柿 吵 冗談

≪ お待たせいたしました。いよいよ最終回です！ ≫

そんな、こんなで、話しはどんどん大きくなり、結局

教頭を交えた話し合いの場で、すべての 「 真実 」 が明るみに出ました。

その場で、カズ君は意見を求められると

「 僕は、今度の地区大会で、３年生全員が

　レギュラー出場して、心残りなく戦いたいだけです。」

それを聞いた教頭先生は、カズ君をしっかりと抱きしめ

「 カズ、お前は　・　・　・　。」

と言ったきり声を詰まらせ、あとは言葉になりませんでした。

教頭の目からは、大粒の涙がポロポロとこぼれていました。

そのとき突然、もう一人が 大声で泣き出し ました。

皆が驚いて振り返ると、それは、野球部の顧問 でした。

この顧問、「 ルールもロクに知らない 」 （ カズ君談 ） ので

いつも、主将でピッチャーのカズ君と衝突していました。

また、英語の教師でもありますが、級友のテストの採点違いを

イギリス在住歴のあるカズ君から

「 イギリスでは～～～ですよ。」

などと指摘されていたのでした。

自分に都合の悪いことがあると、すぐに泣くのは

オンナノコの専売特許だとばかり思っていたら

近頃では、そうでもないのですね。

翌日の地区大会では、３年生全員がレギュラーになったのは言うまでもなく

カズ君は、文字通り剥奪されていた 「 主 」 のマークを

当日の朝、針と糸を持参して、急きょユニホームに縫い付けて

ピッチャーで出場しました。

今回の一件で、カズ君はもちろんつらい思いをしましたが

最終的には、彼の品格がクローズアップされた結果となりました。 

もしかしたら、最大の 被害者 は、この

結婚したばかりの、体育会系英語教師だったのかも知れませんね。

（完）

皆様、長い間お付き合いいただき、大変ありがとうございました。<(_ _)>

なお、この物語は、事実を元に、西紅柿が脚色 したものです。

（ 文中仮名です ）

 

オマケの ＢＧＭ は、これ！