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カテゴリ:つぶやき
夕方、タマの散歩に出ようとして、窓のを外を見ると うちの前の道路を、速足で歩いてくる人がいる。
と思いながら、玄関を出ると、お婆ちゃんはもう 我が家の入口まで来ていた。
今年の夏で93歳になるこのお婆ちゃんは 以前は、西紅柿が畑にいると呼びとめたり 時々は、うちまで来たりして 涙を流しながらとりとめのない話を、30分でも1時間でもして すっかり話し終わると、気持ちが落ち着くのか 来た時とは打って変わった清々しい顔をして帰って行くのだった。
ここしばらくは、顔を合わせることもなかったので、ご高齢でもあるし 足腰が弱くなって、外出もままならないのだろうと思っていた。
今回も、ずいぶん思いつめた様子だったので とりあえず、玄関に入っていただいて、上がり框に腰掛けるや否や お婆ちゃんは、堰を切ったように話し始めた。
しばらくは、その場で話を聞いていたけど だんだん寒くなってきたので、居間に入っていただいて レモンティーをすすめると、更に話し込むこと1時間。
辺りが薄暗くなってきて、ご家族が心配するといけないので 西紅柿が付き添って、お宅まで送って行ったら 同居しているお嫁さんが外にいらしたので 挨拶すると
とのことだった。
このお婆ちゃん、病弱なご主人を、結婚してからずっと介護されてきて その御主人も亡くなって、早10年以上になる。 今では、息子さん夫婦と、「 お婆ちゃん思いの孫 」 と同居して 何不自由ない暮らしをされているのだが、それでも こうして、何か思いつめた時には話に来られる。
少し前に、町の職員との話の中で、お年寄りの話し相手対策に 傾聴ボランティア が取り上げられた。 これ、近頃流行りのボランティアで、あちこちで養成講座が開かれている。
でも、話す立場になってみれば、講習を受けているとはいえ 一面識もないような人から
なんて言われて、すぐに話せるのだろうか。
相手の心の奥底にあるわだかまりを話してもらうためには 技術よりも先に、相手との信頼関係を築く事が大切なのではないかと思う。
法務省インターネット人権相談窓口
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