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カテゴリ:入院
病室は前回同様4人部屋だったが、ベッドの1つは空いたままだった。
西紅柿以外の2人は内科の患者で 日がな1日大音量でテレビを見ることもなく 夜中に騒ぎを起こしたり、見舞いの家族が騒いだり なんていうこともない良識的な人たちで 前回のような「困ったチャン」はいなかった。
だから、「 今回はブログネタもないなぁ・・・」 という感じだった。
西紅柿が入院した翌々日、同室の1人が退院していき 部屋は一時2人になったが、その翌日に ご高齢のガイジンさん(仮名:クリスさん)が入ってきた。
看護師たちが入れ代わり立ち代わり来ては、聞くところによると 在日歴は60~70年なので、言葉はほとんど問題なく 3人の子どもたちもニホンダイスキで 全員が日本人と結婚しているという。
今回は、高血圧と息苦しさが原因で入院したらしい。 だから少しおしゃべりをすると、すぐにハァハァしてしまう。
西紅柿はクリスさんと隣り合わせていたので、間にカーテンがあるため 直接顔を合わせることは少なかったが、話をつなぎ合わせると 彼女はドイツ人で、戦時中はドイツに住んでいたが 何度も危険な目に遭うたびに、神様に助けられた。 戦争が終わってから、ぜひ、神様の素晴らしさを伝えようと思い イエスキリストのことを知らない日本に来た。 (つまり、布教・伝道活動?)
だいたいの様子がわかったので、西紅柿はクリスさんに 直接質問したりはしなかった。 ( 西紅柿の場合、誰に対しても身の上を聞き出したりしないけど )
部屋のもう一人の住人は肺炎で、見るからに病弱そうな方だった。 時々せき込みながら、寝ているか雑誌を広げているか、で 他のオバチャンたちのように、どーでもいいことを 大声でおしゃべりするようなこともなかった。
が、症状が改善してくると、誰しも時間を持て余すようになる。
あるとき、肺炎さんが向かいのクリスさんの所へ行って ベッドに並んで座り、おしゃべりを始めた。
肺炎さんはクリスさんに、ごく一般的な質問をした。 肺 炎 「 クリスさんは、どうして日本に来られたのですか?」
するとクリスさんは、自らの使命感に燃えて 『 神様のすばらしさ 』 を、滔々と語り始めた。
西紅柿が本を読んでいると、薄いカーテンの向こうから クリスさんの熱弁が聞こえてくる。
初めのうちは肺炎さんも相槌を打っていたが しばらくすると 肺 炎 「 そんなにおしゃべりして、大丈夫ですか?」 クリス 「 だいじょぶ、だいじょぶ」
これを数回繰り返し、ついに 肺 炎 「 うちは 仏教 だから そういうお話はよくわからなくて・・・」
そういえば、武田鉄矢さんが子どもの頃、お母さんに 「 うちにはサンタクロースは、来るとね?」
と聞くと、お母さんは 「 うちは仏教じゃけ、来ん!!」
なるほど、ね。。。
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