お節句になれば
お節句になれば、寒さも和らいで、凍った水もとけ出す。。。 そんな思いを込めて、母はひな祭りを、殊のほか心待ちにしていました。 まだ寒さの底のような2月、母は自分の嫁入り道具の桐の箪笥の引き出しを、下から順に引き出して板を乗せ赤い布をかけてひな壇に仕立て「 これは、西紅柿が生まれたときに 実家からもらったんだよ。」と言いながら、雛人形を1つずつ、いとおしそうに並べていました。 私は子ども心にも、自分のお雛様が嬉しくて用もないのに何度もお雛様を見に行くとひな壇がある 「 お座敷 」 と呼んでいた部屋はほの暗く子どもが歩いただけでも揺れてキラキラするおひな様の髪飾りをショウノウの匂いのする湿り気を帯びた空気の中でいつまでも見ていました。 今日は、桃のお節句。実家から、内裏雛だけを持ってきました。 どーして屋根にシャチホコ なの なんていう突っ込みは、なしということで。。。