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偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

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2013.11.26
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カテゴリ:万葉

承前

  もみぢの万葉歌、第10巻の途中までという中途半端な形になりましたので、第20巻までの残り41首を掲載して置きます。(但し、文字数制限の関係で3首はコメント欄に掲載してあります。)

大坂を わが越え来れば 二上(ふたがみ)に もみち葉流る 時雨ふりつつ
                       (万葉集巻10-2185)

妹が袖 巻来(まきき)の山の 朝露に にほふもみちの 散らまく惜しも
                          (同巻10-2187)

もみち葉の にほひは繁し しかれども 妻梨(つまなし)の木を 手折りかざさむ
                         (同巻10-2188)

露霜の 寒き夕の 秋風に もみちにけりも 妻梨の木は
                         (同巻10-2189)

わが門の 浅茅(あさぢ)いろづく 吉隠(よなばり)の 浪柴(なみしば)の野の もみち散るらし
                         (同巻10-2190)

吾背子が 白たへ衣 往き触れば (にほ)ひぬべくも もみつ山かも
                         (同巻10-2192)

雁がねの 来鳴きしなへに 韓衣(からころも) 立田の山は もみち()めたり
                         (同巻10-2194)

雁がねの 声聞くなへに 明日よりは 春日の山は もみち()めなむ
                         (同巻10-2195)

風ふけば もみち散りつつ すくなくも 吾の松原 清からなくに
                         (同巻10-2198)

九月(ながつき)の 白露負ひて あしひきの 山のもみたむ 見まくしも良し
                         (同巻10-2200)

妹がりと 馬に鞍置きて 生駒山 うち越え来れば もみち散りつつ
                         (同巻10-2201)

もみちする 時になるらし 月人の かつらの枝の 色づく見れば
                         (同巻10-2202)

秋萩の 下葉もみちぬ あらたまの 月の経去(へゆ)けば 風を(いた)みかも
                         (同巻10-2205)

まそかがみ 南淵山は 今日もかも 白露おきて もみち散るらむ
                         (同巻10-2206)

秋萩の 下葉のもみち 花に継ぐ 時過ぎ行かば (のち)恋ひむかも
                         (同巻10-2209)

明日香川 もみち葉ながる 葛城(かづらき)の 山の木葉(このは)は 今し散るらむ
                         (同巻10-2210)

妹が紐 解くと結びて 立田山 今こそもみち (はじ)めてありけれ
                         (同巻10-2211)

さ夜ふけて 時雨なふりそ 秋萩の 本葉(もとは)のもみち 散らまく惜しも
                         (同巻10-2215)

ふるさとの 初もみち葉を ()折り持ち 今日ぞわが()し 見ぬ人のため
                         (同巻10-2216)

君が家の 初もみち葉は 早くふる 時雨の雨に ぬれにけらしも
                         (同巻10-2217)

秋山の 木葉(このは)もいまだ もみたねば 今朝吹く風は 霜もおきぬべく
                         (同巻10-2232)

もみち葉を 散らす時雨の ふるなへに ()さへぞ寒き 一人し()れば
                         (同巻10-2237)

あしひきの 山さな(かづら) もみつまで 妹にあはずや わが恋ひをらむ
                         (同巻10-2296)

もみち葉の 過ぎかてぬ兒を 人妻と 見つつやあらむ (こほ)しきものを
                         (同巻10-2297)

もみち葉に おく白露の 色葉(いろは)にも 出でじと思へば ことの繁けく
                         (同巻10-2307)

祝部(はふり)らが (いは)(やしろ)の もみち葉も 標縄(しめなは)越えて 散るといふものを
                         (同巻10-2309)

ひとりのみ 見れば(こほ)しみ 神名火(かむなび)の 山のもみち葉 ()折りけり君
                         (同巻11-3224)

兒毛知(こもち)山 若かへるでの もみつまで ()もと()()ふ ()はあどか()
                         (同巻14-3494)

もみち葉の 散りなむ山に 宿りぬる 君を待つらむ 人し悲しも
                    (葛井子老 同巻15-3693)

あしひきの 山した光る もみち葉の 散りの(まがひ)は 今日にもあるかも
                   (阿倍継麻呂 同巻15-3700)

竹敷(たかしき)の もみちを見れば 吾妹子が 待たむといひし 時ぞ来にける
                    (大伴三中 同巻15-3701)

竹敷の 浦()のもみち (われ)行きて 帰り来るまで 散りこすなゆめ
                    (遣新羅使人 同巻15-3702)

もみち葉の ()らふ山べゆ こぐ船の にほひに()でて 出でて来にけり
                    (対馬娘子玉槻 同巻15-3704)

秋山の もみちを挿頭し わがをれば 浦潮満ち来 いまだ飽かなくに
                    (大伴三中 同巻15-3707)

もみち葉は 今はうつろふ 吾妹子が 待たむといひし 時の経ゆけば
                     (遣新羅使人 同巻15-3713)

この時雨 いたくなふりそ 吾妹子に 見せむがために 黄葉(もみぢ)採りてむ
                     (久米広縄 同巻19-4222)

あをによし 奈良人見むと 吾背子が ()めけむもみち (つち)に落ちめやも
                     (大伴家持 同巻19-4223)

あしひきの 山のもみちに しづくあひて 散らむ山道(やまぢ)を 君が越えまく
                     (大伴家持 同巻19-4225)






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最終更新日  2014.03.21 23:53:32
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