カテゴリ:万葉
<承前> もみぢの万葉歌、第10巻の途中までという中途半端な形になりましたので、第20巻までの残り41首を掲載して置きます。(但し、文字数制限の関係で3首はコメント欄に掲載してあります。) 大坂を わが越え来れば 二上に もみち葉流る 時雨ふりつつ 妹が袖 巻来の山の 朝露に にほふもみちの 散らまく惜しも もみち葉の にほひは繁し しかれども 妻梨の木を 手折りかざさむ 露霜の 寒き夕の 秋風に もみちにけりも 妻梨の木は わが門の 浅茅いろづく 吉隠の 浪柴の野の もみち散るらし 吾背子が 白たへ衣 往き触れば 染ひぬべくも もみつ山かも 雁がねの 来鳴きしなへに 韓衣 立田の山は もみち始めたり 雁がねの 声聞くなへに 明日よりは 春日の山は もみち始めなむ 風ふけば もみち散りつつ すくなくも 吾の松原 清からなくに 九月の 白露負ひて あしひきの 山のもみたむ 見まくしも良し 妹がりと 馬に鞍置きて 生駒山 うち越え来れば もみち散りつつ もみちする 時になるらし 月人の かつらの枝の 色づく見れば 秋萩の 下葉もみちぬ あらたまの 月の経去けば 風を疾みかも まそかがみ 南淵山は 今日もかも 白露おきて もみち散るらむ 秋萩の 下葉のもみち 花に継ぐ 時過ぎ行かば 後恋ひむかも 明日香川 もみち葉ながる 葛城の 山の木葉は 今し散るらむ 妹が紐 解くと結びて 立田山 今こそもみち 始めてありけれ さ夜ふけて 時雨なふりそ 秋萩の 本葉のもみち 散らまく惜しも ふるさとの 初もみち葉を 手折り持ち 今日ぞわが来し 見ぬ人のため 君が家の 初もみち葉は 早くふる 時雨の雨に ぬれにけらしも 秋山の 木葉もいまだ もみたねば 今朝吹く風は 霜もおきぬべく もみち葉を 散らす時雨の ふるなへに 夜さへぞ寒き 一人し寐れば あしひきの 山さな葛 もみつまで 妹にあはずや わが恋ひをらむ もみち葉の 過ぎかてぬ兒を 人妻と 見つつやあらむ 恋しきものを もみち葉に おく白露の 色葉にも 出でじと思へば ことの繁けく 祝部らが 斎ふ社の もみち葉も 標縄越えて 散るといふものを ひとりのみ 見れば恋しみ 神名火の 山のもみち葉 手折りけり君 兒毛知山 若かへるでの もみつまで 寝もと吾は思ふ 汝はあどか思ふ もみち葉の 散りなむ山に 宿りぬる 君を待つらむ 人し悲しも あしひきの 山した光る もみち葉の 散りの乱は 今日にもあるかも 竹敷の もみちを見れば 吾妹子が 待たむといひし 時ぞ来にける 竹敷の 浦廻のもみち 吾行きて 帰り来るまで 散りこすなゆめ もみち葉の 散らふ山べゆ こぐ船の にほひに愛でて 出でて来にけり 秋山の もみちを挿頭し わがをれば 浦潮満ち来 いまだ飽かなくに もみち葉は 今はうつろふ 吾妹子が 待たむといひし 時の経ゆけば この時雨 いたくなふりそ 吾妹子に 見せむがために 黄葉採りてむ あをによし 奈良人見むと 吾背子が 標めけむもみち 地に落ちめやも あしひきの 山のもみちに しづくあひて 散らむ山道を 君が越えまく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[万葉] カテゴリの最新記事
|
|