カテゴリ:万葉
本日は友人の和麻呂さんこと大嶽和久氏が副会長を務める関西邦楽作曲家協会の第35 回作品発表会に行って参りました。 演奏を聴きながら、「石上 布留の神杉 神さびし 恋をもわれは 更にするかも」(万葉集巻11-2417)などの万葉歌を思い起こしたりと、心地良い気分に浸ることが出来ました。 演奏中の写真があれば臨場感があってブログ的にはいいのですが、撮影禁止でありますから、これ亦、是非に及ばず、で開演前の愛想もない写真でお茶を濁すしかありません。
石上神宮から北へ、奈良に至る山裾の道が「北・山の辺の道」、南へ、桜井市へと至る道が「南・山の辺の道」である。小生は若い頃から何度となく歩いたり、銀輪散歩したりしている道であるが、何ということもない小川に、畑中の細道や道の隈に、田の面を吹き来る風に、野辺に咲く花に、万葉の昔が偲ばれる道なのである。 石上 布留の山なる 杉群の 思ひ過ぐべき 君にあらなくに 未通女等が 袖布留山の 瑞垣の 久しき時ゆ 思ひきわれは いにしへも かく聞きつつや 偲ひけむ この古川の 清き瀬の音を 石上 布留の早田を 秀でずとも 縄だに延へよ 守りつつをらむ 石上 布留の早田の 穂には出ず 心のうちに 恋ふるこのころ 布留山ゆ 直に見渡す 京にぞ 寐も寝ず恋ふる 遠からなくに 石上 布留の神杉 神びにし われやさらさら 恋に逢ひにける 処女らを 袖布留山の 瑞垣の 久しき時ゆ 思ひけりわれは 石上 布留の神杉 神さびし 恋をもわれは 更にするかも 石上 布留の高橋 高高に 妹が待つらむ 夜ぞ更けにける とのぐもり 雨ふる川の さざれ波 間なくも君は 思ほゆるかも 吾妹子や 吾を忘らすな 石上 袖布留川の 絶えむと思へや 現代語訳を付けようかとも思いましたが、歌の数が多くて、全部付けるのは字数制限で無理。これ幸いと手抜きヤカモチを決め込みました(笑)。これを歌にすれば、 石上 訳ふることの 手のはぶけ 字数に限り あるもよきかな 石上神宮は物部氏ですから、作者名は、物部守屋に因んで「ものぐさの守屋」と致しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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