カテゴリ:近隣散歩
昨日(23日)の銀輪散歩で見かけた「すさまじきもの、にくきもの」であります。
先ずは、すさまじきもの。 「すさまじい」は現代語では、ものすごい、おそろしいほど激しい、あきれるほどひどい、というような意味で使うが、古語では「殺風景だ、興ざめだ」というような意味である。 ここでの「すさまじきもの」というのは、後者の古語に於ける意味で使っているので、「興ざめなもの」ということであります。尤も、下掲の写真をご覧になって、現代語的な「恐ろしい様子、ひどいこと」という意味にとられるお方も居られるかと思ったりもしますが、それはそれでよろしいかと。 (蛇の煎餅) アスファルト舗装の道の真ん中にヘビの模様。 車に轢かれたのであろう、ヘビが煎餅のようにぺしゃんこになっている姿であります。 夜、ヘビだけにへべれけに酔って、道路の真ん中にトグロを巻き眠ってでもいたのでしょうか。そこへダンプか何か大型の車がやってきて、一気に踏みつぶしてしまったのでしょう。 清少納言は枕草子第25段で「すさまじきもの、昼ほゆる犬。春の網代。三、四月の紅梅の衣。牛死にたる牛飼ひ。ちご亡くなりたる産屋。火おこさぬ炭櫃、地火炉。博士のうちつづき女子生ませたる。方違へにいきたるに、あるじせぬところ。まいて節分などはいとすさまじ。」と言って居りますが、「轢かれて煎餅になりたる蛇の死骸」もこれに付け加えましょうか。 ヘビ煎餅のあった道路は、ヤカモチが銀輪散歩で立ち寄ることの多い、恩智川沿いの加納緑地(加納東公園)の西沿いの道である。 (加納緑地位置図〇印) さて、その加納緑地園内で見かけた、もう一つの光景がこれ。 (狼藉の跡) 公園中央にある東屋に散らかされた飲み食いの残骸ゴミ。 園内にある何ヶ所かの東屋やベンチのうちの一つであるが、ここはヤカモチもよく利用する場所。 前夜(22日)にここで飲み食いの宴会でも行ったのか、その残骸が散らかっている。公園は火気厳禁でBBQなどは禁止されているが、金網や炭ガラなども散乱しているから、何かを焼いたりもしたことがうかがえる。 このように散らかしたまま立ち去ったのであれば言語道断であるが、そうではなく、一応ビニール袋などにゴミをまとめて、中央奥のタバコの吸い殻入れ用の缶に押し込んでいたのかもしれない。しかし、朝になってカラスの集団がやって来て、これを外に引き出し、このように広くまき散らかしたとも考えられる。破れたビニール袋の破片も東屋の外に見られました。 ビニール袋に入れた食べ残しなどの残骸ゴミは、カラスがこれをつつき周辺にまき散らすことはよく目にする光景であるから、蓋のないゴミ箱に投げ入れてというのは、片づけたことにはならないのは常識である。 ゴミ袋が手元にあれば、散乱したこれらのゴミを拾い集めて、公園内の蓋つきのゴミ箱に回収するところであるが、その用意もなければ、見なかったこととして立ち去るしかありません。 今後は、銀輪散歩の折には、ゴミ袋を1枚、ザックかウェストポーチにでもしのばせて置くか、などと思った次第。 (狼藉のあった東屋の位置図 ■印) こういう気分の悪いもの、腹立たしいものを清少納言は何と言っているのかと調べたら、「にくきもの」というのが第26段に出ている。 彼女が、にくきもの(癪にさわるもの)として挙げているのは多岐にわたるので、適当にピックアップすると、次のようなものです。 1.急ぐことあるをりに来て長言するまらうと。 ※今なら、用があるのに電話をかけて来てなかなか切ろうとしない長電話などもこれに含まれるか。 2.火桶の火、炭櫃などに、手のうらうち返し打ち返しおしのべなどしてあぶりをる者 3.酒のみてあめき、口を探り、鬚ある者はこれをなで、盃異人に取らすほどのけしき、いみじうにくしと見ゆ。 4.ものうらやみし、身の上嘆き、人の上言ひ、露塵のことゆかしがり、聞かまほしうして、言ひ知らせぬをば怨じそしり、また僅かに聞き得たることをば、わがもとより知りたることのやうに、異人にも語りしらぶるもいとにくし。 5.烏の集まりて飛び違ひ、さめき鳴きたる。 6.忍びて来る人、見知りてほゆる犬。あながちなる所に隠し臥せたる人の、いびきしたる。 7.ねぶたしと思ひて臥したるに、蚊の細声にわびしげに名のりて、顔のほどに飛びありく。 ヤカモチ的には、「公園に飲み食ひしたるをあと片づけせぬまま立ち去る者。あるひは、片づけしたれども、烏の食い散らかすことあるに思ひをいたさぬ者。」も「にくきもの」の一つでありますかな。 <追記:2020.7.27.誤字訂正 な→は> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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