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偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

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2022.03.29
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カテゴリ:銀輪万葉

​​(​承前​)
​​​ 前ページでは天高市神社へ向かうところで終わりましたので、天高市神社から始めます。この神社は、宗我坐宗我都比古神社へと行く道の途中にあったのでついでに立ち寄ったもの。
 国道24号・橿原バイパスの高架下を潜る手前の辻を左(南)に入った処にある。

​​​​​​
(天高市神社)
​ 主祭神は事代主命であるが、中世から近世にかけては曽我八幡宮と称されていたようで、応神天皇や神功皇后など八幡神も祀っている。
 事代主は鴨氏が祖神として信仰していた神で、大物主の子とされる。


(同上・ご由緒書き)
 日本書紀・神代上第七段の本文では、アマテラスが天石窟に閉じこもった時に八十万神が集まって相談した場所は、天安河辺(あまのやすのかはら)とあるが、第一の一書では天高市(あまのたけち)となっている。
 上のご由緒書きでは、その天高市がこの神社の地だという伝承が記されている。市とは人々が集い物を交換する場所で、多くは小高い場所が選ばれるので高市というに過ぎない。高市を普通名詞と考えるとこの場所とは限らないのであるが、これを固有名詞と見て天高市が此処だという伝承である。
やそよろづ 神のつどひし 地といへる 天高市に われも立ちにき (偐家持)


(同上・拝殿)
<参考>​天高市神社​・Wikipedia
    天高市神社公式サイト

(同上・本殿)
 天高市神社を出て、宗我坐宗我都比古神社へと向かう。

(天高市神社、宗我坐宗我都比古神社、磐余神社位置図)
 宗我坐宗我都比古神社は、推古天皇の時代に蘇我馬子による創建で、武内宿禰と石川宿禰を祀ったという記録もあるようだが、社伝では、持統天皇が蘇我倉山田石川麻呂の次男である徳永内供に紀氏を継がせ内供の子の永末に祖神を祀るための土地を与え社務・耕作を行わせたことをもって創建とするとのこと。
 いずれにしても蘇我氏の神社。祭神は宗我都比古、宗我都比売で、通称は「入鹿の宮」とか。所在地も橿原市曽我町であり、最寄り駅の名も真菅駅である。
 入鹿神社に立ち寄ったからには、此処にもご挨拶しなければならないというものである。

(宗我坐宗我都比古神社・拝殿)
※​宗我坐宗我都比古神社
​​
・Wikipedia

​​​​​​​​​​​​​ 境内には、サンシュユが満開に咲き、桜も開花。

(同上・拝殿脇のサンシュユ<山茱萸>)
 春爛漫であります。

(同上・境内の桜)
 鳥居の足元には万葉歌碑がありました。
 最近はこのように鏡面のように磨き過ぎの石に字を刻した歌碑を時々見かけるが、写真に撮ると景色が反射して字が読み難いので有難くない。

(同上・境内の万葉歌碑)
ま菅よし 宗我の川原に 鳴く千鳥 間なしわが背子 我が恋ふらくは
                               (万葉集巻12-3087)

​<(ま菅よし)宗我の川原に鳴く千鳥のように絶え間がありませんあなた、私が恋しく思うのは。>​

(同上・歌碑裏面)
​真澄鏡​まそかがみ 磨き過ぎたる 石のつら 歌碑としなすは 烏滸をこにしあらむ (偐家持)

 宗我坐宗我都比古神社を出て、真菅駅を右に見て近鉄大阪線の踏切を渡り、北進。磐余神社へと向かいます。
 磐余神社に行くこととしたのは、「ま菅よし・・」の万葉歌碑が境内にあることを知ったからでありますが、宗我坐宗我都比古神社で思いもかけず、同じ歌の歌碑に出会ってしまったのは想定外。
 北上して、広い道路に出た中曽司町南交差点で左折、西へ。
 しばらく走ると右手にそれらしき森が見える。

(磐余神社)

(同上・説明碑)
​​
(同上・拝殿)
 神武天皇を祭神とする神社。

​​​​​​
(同上・拝殿)
 本殿から境内を奥に進むと突き当りにあるのが末社の厳島神社。
 祭神は市杵島姫命。

(同上・境内奥の厳島神社)
 はい、そして二番煎じとなってしまった万葉集3028番歌の歌碑です。
 こちらの方が歌碑らしくていい。

(同上・万葉歌碑)
真菅よし 宗我の河原に 鳴く千鳥 間無しわが背子 わが恋ふらくは
 神社を出て西に行くとすぐに葛城川で磐余橋がかかっている。
 橋の上から曽我川下流方向を眺める。

(曽我川 北方向・下流方面)

うらうらに ()れる春日(はるひ)や 曽我川の 水のごと行け 銀輪われも (銀輪家持)

 曽我川左岸を上流へと走り、松塚駅前を通って西へ。
 葛城川に出る。

(葛城川 北方向・下流方面)
 葛城川を渡った処で下流方向を眺めたのが上の写真、上流方向を眺めたのが下の写真である。
 京奈和自転車道となっている。

(葛城川 京奈和自転車道 正面は近鉄大阪線の踏切、左奥は畝傍山)
 葛城川左岸を上流へ。近鉄大阪線を越えて更に上流(南)へ。
 途中で自転車道は橋を渡って右岸の道になるが、ヤカモチはそのまま左岸の道を進む。
 JR桜井線(万葉まほろば線)の下を潜って右折、西へ。
 高田城址へと向かいます。

​​​​​​​
(高田城址位置図)
 高田城址の碑のある場所は進入口が分かりにくくて少し迷いましたが、無事に到着。

(高田城址の碑)
※​高田城(奈良県)​<「日本の城巡りMARO参上」より>


(同上・説明碑)
 ゴールをJR高田駅にするか、近鉄大阪線大和高田駅にするか迷いましたが、JR高田駅を選択。
 JR高田駅に向かう途中で見かけた八幡神社の境内に伊福寺跡という碑がありました。

(伊福寺跡の八幡神社)
 興福寺の末寺に属した伊福寺という寺があり、この八幡神社はその鎮守社であったとのこと。

(伊福寺跡の碑)
 はい、JR高田駅前到着。
 此処で、トレンクルを輪行バッグに収納し、帰途につきます。

(JR高田駅)
 JR高田駅前到着14時55分。近鉄飛鳥駅前出発が10時10分頃でしたから、昼食など途中での休憩時間も含めて4時間40分ほどの銀輪散歩でありました。
(完)
<参考>銀輪万葉・奈良県篇の過去記事は下記です。
     ​銀輪万葉・奈良県篇(その1)​・2007年~2019年2月
     ​銀輪万葉・奈良県篇(その2)​・2019年3月~
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

#Ukraine  #ウクライナ






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最終更新日  2022.03.31 10:38:04
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