カテゴリ:銀輪万葉
(承前)
神戸・灘銀輪散歩と言っても、友人出展の美術展を見たついでの銀輪散歩に過ぎず、急坂道に辟易しての日和見的銀輪散歩でもありましたので、走行距離も僅か、大してご紹介すべきものもない、銀輪散歩でしたが、過去記事の応援も得て、何とか「銀輪万葉」らしき記事に仕上げることと致しましょう(笑)。 出発は、阪神電車神戸三宮駅前付近。 近鉄と阪神電車とは相互乗り入れをしているので、三宮へは快速急行に乗り換えることで行けるのであるが、これまでは鶴橋で環状線に乗り換え、大阪駅に出て、そこからJRで三ノ宮駅へというのがヤカモチの通常のルートでありました。 今回初めて、近鉄・阪神のルートで三宮まで行ってみましたが、どちらが早いのかは、ケースバイケースのようです。 (神戸・灘銀輪散歩地図) 先ずは、国道2号線沿いの敏馬神社にご挨拶。 (敏馬神社) (同上) 敏馬神社は、昨年の7月29日の銀輪散歩で立ち寄っているので、その時のブログ記事をご参照ください。 <参考>敏馬から舞子へ(その1) 2021.8.7. 敏馬から舞子へ(その2) 2021.8.8. 境内は、人麻呂の万葉歌碑を始めとして色んな歌碑があるのだが、昨年には気が付かなかったこんな歌碑(歌碑と言えるのかどうか微妙だが)もありました。 (同上・歌碑?) 寄せ書き風に、ごちゃごちゃと書かれていて、混沌。 これをしも 歌碑と言ふかや 見る人も 首かしげるの ほかなき混沌 (雑多家持) 記されている歌を以下に書き出してみると・・。 あま衣 なれにし友に めぐりあひて みぬめの浦に 玉藻をぞかる (兼好法師) とりばやな みぬめの浦に 住むあまも のうちに 物や思ふと (西園寺公経) はま千鳥 かよふばかりの あとはあれど みぬめの浦に ねをのみぞなく (順徳院) うず潮の 荒ぶる孤島に 散りし君 夢路にかえれ ふる里の家 (牛島大将) 頼めこし 里のしるべも 訪ひかねて 見る目のよそに 帰る波かな (藤原定家) いたづらに 思ひこがれて 年も経ぬ 人をみるめの 浦のもしほ火 (藤原定家?) 名もつらし 又もみぬめの 浦波の あさ夕袖に かかるばかりは (後伏見院) なびくとも 見ぬめの浦の 夕煙 かくて浮名を 猶や立つらむ (源義種) からふとに 露と消えたる 乙子らの みたま安かれと ただいのりつる (香淳皇后) 秋またで 枯れゆく島の 青草は 皇国の春に よみがえらなん (牛島大将) しほこさぬ 松だにしづむ 夕霞 みぬめの浦の 名にや立つらむ (西園寺実氏) まれにだに みぬめの浦の あま小舟 いかなる風に よるべさだめむ (権大僧都有) 波さわぐ 音のどかにて 玉もかる みぬめの浦の かすむ朝風 (日野資枝) と、時代も人も、歌の傾向も、ごちゃ混ぜ。 その隣の碑にも歌が記されていたが・・。 (同上・歌碑?) 玉藻刈る 敏馬を過ぎて 夏草の 野島の崎に 舟近づきぬ この歌は柿本人麻呂の歌であるが、藤原定家作と記されている。 頼山陽作だという一文も記されている。 煙未だ浮ばず 天皇愁いたもう 煙已に起る 天皇喜びたもう 漏屋敞衣 赤子を富ましむ 子富み父貧しき 比の理無し 八洲縷々百萬の煙 皇統を簇り擁して 長えに天に接す(原文のママ) これも趣旨がよく分からん碑である。 敏馬神社の西側の坂道を上って行く。これが結構な急坂。 JR灘駅前で休憩。 (JR灘駅) 上の写真は、駅の南側。北側に回って、王子動物園・王子公園へと坂道を更に上る。 そして王子動物園に突き当たり、左折して美術展会場の「原田の森ギャラリー」です。これらの写真は前ページに掲載済みですが、再掲載して置きます。 (王子動物園<再掲載>) (原田の森ギャラリー<左側、右側は横尾忠則現代美術館>) 美術展を見て、こちら側に道路を渡って来ると、石垣に「関西学院発祥之地」という文字。 (関西学院発祥之地) <参考>発祥コレクション・関西学院創立の地(神戸文学館) 写真奥に神戸文学館の建物が少し写っていますが、ここが関学発祥の地でありますか。 しかし、立ち寄らずスルー。王子公園に入る。 駐車場を突き抜け、動物園の東側の坂道をハァーハァー言いながら上って行くと、青谷川沿いの緑地公園の一画に出た。 藤棚のような休憩所のベンチに一人のご婦人。ヤカモチもそのベンチの片隅に休憩させていただいて、暫くそのご婦人と世間話。 四国の何処やらのご出身で、関西に出て来られてウン十年になるとか。今は膝を痛めていて長い歩きはできないが、近所をこのように散歩しているのだと。実の娘さんとご同居で色々と世話をしてくれるので、助かっているというようなことも仰っていました。 (青谷川公園で出会ったご婦人) 杖をつきながら、そろりそろりと帰って行かれました。 うしろ姿の写真なら掲載しても問題ないでしょう(笑)。 どうぞ、お元気で。 ヤカモチとしては、摩耶ケーブル駅まで行き、五鬼城展望公園にて海側の展望を楽しんでみるかと考えていたのでしたが、更にも相当な上り坂に心が怯み、とって返すこととしました。だんだんにヤカモチも老いというものを感じるようになってまいりました(笑)。 青谷川沿いに坂を下る。 (青谷川) 阪急電車の線路に突き当たった処で左折、東へ。 都賀川に出る。これを右折、南へと下る。 都賀川沿いに南下。 (都賀川 奥は灘警察署) 途中で昼食を済ませ、JR線を越え、阪神電車・大石駅を過ぎ、国道43号線で右折、西へ。 求女塚西公園のある辺りにさしかかるが、道路の左側(南側)を走っていたので、道路反対側を北に入った処にあるこの公園はやり過ごすことに。 この公園は、2010年1月の銀輪散歩で立ち寄っているので、その時の記事をご参照ください。 <参考>菟原処女伝説 2010.1.27. 国道43号は岩屋交差点で国道2号と合流し、その先は国道2号となる。 岩屋交差点から500mほど進むと、道の反対側(北側)に、朝に立ち寄った敏馬神社が見えて来る。 冒頭に掲載した敏馬神社の遠景写真は、この帰途に道路反対側(南側)から撮影したものである。 岩屋中町4丁目交差点を過ぎた先で斜めに脇道を入ると南宮宇佐八幡神社という小さな神社がある。 (南宮宇佐八幡神社) この神社の創建は、建武3年(1336年)楠木正成が、足利尊氏追討の命を奉じて兵庫に出陣した際に、この脇浜の地に同志を集めて休息し、八幡宮を遙拝したことが機縁となり、後に地元の村民がその跡地に八幡神社を勧請したことによるものだという。 南宮というのは楠宮が変化したものだとも伝えられているそうな。 拝殿左側のクスノキはハートのクスノキと言われ、ハートの木のある神社としても知られているらしい。 このように剪定したというのではなく、ほぼ自然のままにこのようなハート型になっているのだという。 (同上・拝殿) (同上・本殿) 神戸三宮駅前到着。 以上で、灘銀輪散歩終了です。 <参考>兵庫県方面の銀輪万葉の過去記事はコチラ。 We stand with Ukrainians. (STOP PUTIN STOP WAR) <追記訂正:2022年6月1日> 上記の国道43号線での記述で方角に誤表示のあることに気づきましたのでこれを修整しました。大阪人のヤカモチは山側を東、海側を西と考えてしまう思い込みがあるため、神戸では山側が北、海側が南であることが分かっていながら、つい山側を東側と書いてしまう傾向があるのですが、今回そのような誤記載が何ヶ所かありましたので、これを訂正しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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