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偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

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2022.05.15
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カテゴリ:銀輪万葉
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​ブログの更新を随分と怠っていましたが、久々に記事を更新します。
 5月12日、信濃川沿いを銀輪散歩してまいりました。
 目的地は、新潟県三条市の伊久礼神社。
 万葉の伊久里の森については、大和
(奈良市古市町穴栗神社)説、越中(富山県砺波市井栗谷)説、越後(新潟県三条市井栗)​説がある。
 大和説が妥当だと思うが、今回は、越後説に従い伊久礼神社を訪ねてみようと考えた次第。
 そもそも、この旅を思い立ったキッカケは、友人・岬麻呂氏の4月の新潟桜旅
(岬麻呂旅便り289・新潟)​で、そのブログ記事へのひろみちゃん8021さんのコメントに対する返事コメントで「銀輪の 越の旅せむ われもまた 伊久礼の森の 藤の花見に」という歌を詠んでしまったことでありました。
​ 弥彦の森の もみぢ葉を見に・・とでも詠んで置けば、数ヶ月先のこととなるので、詠んだことも忘れてそれっきりになっていたのでしょうが、藤の花だと翌五月のことですから、忘れることもなく、有言実行となった次第。
<参考>​岬麻呂旅便り289・新潟​ 2022.4.14.
 新潟駅からJRで保内駅へ。

(信越本線・保内駅)
 保内駅は無人駅。駅前でトレンクルを組み立て、出発。
 踏切を渡り、伊久礼神社へと向かう
(下掲地図参照)

(伊久礼神社位置図)
 帰宅してから地図に進んだコースを落とし込んでみると、かなり遠回りしていることに気づきました。

(伊久礼神社)
 伊久礼神社はこじんまりとした境内で、集落の道端にひっそりとありました。
​​​​
(同上・拝殿)
 境内の藤棚の下に明和元年(1764年)建立という古い万葉歌碑がある。
 説明書きによると、井栗村の大庄屋・松川重行(牧牛)という人が建立したものだとのこと。

(同上・万葉歌碑)
 歌碑の周りは藤の花が散り敷いて、見上げると、こんな風に藤の花が咲いていて・・。

(同上・藤の花)
妹我家尓伊久里能森之藤花今来牟春毛常加久之見牟
妹が家に 伊久里の杜の 藤の花 今来む春も 常かくし見む
                (大原高安真人 万葉集巻17-3952)


(同上・万葉歌碑説明碑)
 大原高安真人は、もと高安王。長皇子の孫。
 養老3年(717年)7月伊予守。阿波・讃岐・土佐按察使、摂津大夫を経て、天平4年(732年)10月衛門督。同11年(739年)4月大原真人の氏姓を賜る。
 この歌は、越中に国守として赴任したばかりの大伴家持に対して、宴席で僧玄勝という人が、大原高安が詠んだ歌として、披露したものである。
 高安王が詠んだ伊久里の森の藤は、この地から北東1.5kmほどの距離の藤の木地内にある藤の古木であるとして、この歌碑が建立されたようだが、その根拠は、「和名抄」に勇礼郷と書いて伊久礼と読ませ、江戸時代から井栗と書くこと、式内社の伊久礼神社があることなど、地名の一致というだけのようです。
 一方の越中説は森田柿園という人が唱えたもののようだが、天平宝字3年11月14日の東大寺文書に越中国礪波郡石栗庄に故大原真人麿の所領があったことが記されていること、麿は高安の子であろうとし、父・高安の時代から所領としていたのだろうということをその根拠としている。
 しかし、石栗庄というのは柿園の資料の読み違いで、正しくは石粟庄であるということで、根拠が少し怪しくなっている。
 また、大和説は古くは契沖(「万葉代匠記」)に遡るが、歌の作者が高安王であるなら、越中や越後とは結び付き難いから、大和説として置くのが穏当なところであろうか。
<参考>奈良市古市町の穴栗神社は下記記事参照
    ​天理から奈良へ銀輪散歩(その3)​ 2011.1.16.

 境内には、松川弁之助翁顕彰碑なるものもあった。
 このお方は前述の万葉歌碑を建立した松川重行の曾孫に当たる人だという。

(同上・松川弁之助翁顕彰碑)

(同上)
 初めて知るお名前であるが、顕彰碑の説明文によると、松川弁之助は、1802年、ここ井栗の大庄屋に生まれ、54歳で長子に職を譲り、北海道開拓のため函館に渡り、農地開拓のかたわら五稜郭築城にも従事。その力量が評価されて、幕府から北洋漁業の取締役に任ぜられ、北洋漁業の礎を築いた人物だという。
 伊久礼神社の南隣にある福楽寺に、この人の墓があるので、一応ご挨拶をしてゆく。

(福楽寺)

(同上・松川弁之助翁墓)
 伊久礼神社を後にして、東へと走る。
 途中に、こんな祠がありました。

(大宮姫大神とマイ愛車・トレンクル)
 アトは信濃川べりに出て、新潟まで銀輪を走らせるだけ。
 突き当りを左折して、北へ。一つ目の辻で右折、東へ。
 水路沿いの広い道に出たので、ここで左折して北へ。
 とにかく北へ向かえば信濃川にぶつかる筈。

(弥彦山<左>、角田山<右>遠望)
 西方向に弥彦山と角田山が見える。弥彦山の左側には国上山が勿論見えていましたが、写真にはその右裾しか写っていません。

(粟ヶ岳<右>遠望)
 東方向には、粟ヶ岳がその雄姿を見せている。
 北に向かって走っているつもりが、それと意識せずに左へとカーブしたようで、気づけば西寄りに進んでいたようで、柳川新田地区の井栗公民館旭分館の前に。細長い緑地になっていて遊歩道が続いている。
 目の前に信濃川沿いに通っている県道1号線が見える。車の往来が頻繁で、自転車には走りにくそうな道。堤防の道に上がってしまえば車の走行もないのだろうが、もう少し先までは信濃川堤防・県道1号線を横目に見つつ、これと並行する一般道を走ることとする。
 少し来た道を戻り、水路沿いに進むこととする。
 水路沿いの道に出る手前で見かけたのがこの「虎」。

(道の辺の「虎」<多分>)
 口の牙から猛獣だろう、今年は寅年だから虎だろうと判断した次第で、虎と名前が書かれていた訳ではないので、虎かどうかは定かではない。

(信濃川)
 どの付近で信濃川の堤防の道に上がったものか記憶が曖昧であるのだが、信濃川が大きく蛇行する手前の柳場新田付近かと思う。
 すぐに、三条市から加茂市に入る。加茂市に入って小さな川が流れ込むところの橋を渡ると、堤防道は県道と分かれて大きく左にカーブし信濃川の流れに沿って行く。S字カーブをして、再び県道1号線に沿って並行する道となった付近で目に入ったのがこの神社。

(日枝社)

(同上・拝殿)

(信濃川堤防の道)
 五反田橋を越えた付近の堤防道で、買って来たパンで昼食。
 河川敷には卯の花が咲いて・・。

(信濃川河川敷の卯の花)
 水分補給の休憩。

(水田揚排水機場)
 こんなポンプの展示が目に入ったので、休憩することに。
 堤防の道は木陰もなく休憩に適した場所になかなか出くわさないのが難点である。

(同上)
 説明プレートには「このポンプは。旧水田揚水機場において、昭和17年から昭和63年まで、周辺水田1300haの用水確保のため活躍した口径約38インチ(965mm)吐出量3750立方尺分(1.8㎥/秒)の渦巻ポンプであります。当時は、ゐのくち式渦巻ポンプと呼ばれた最新鋭の大型遠心式渦巻ポンプであり、その技術は現在へも継承され、農業の発展、向上に長期間寄与してきたものです。」とある。
 人が大口を開けているようにも見えて面白い造形である。

(同上・説明板)

(同上・案内板)
 案内板の地図で、現在の位置を確認。
 信越本線で言うと、田上駅を少し過ぎた付近で、矢代田、古津、新津はまだ先という地点である。

(オニアザミ)
 堤防道は撮るべきものは何と言ってなく、景色か花くらいです。
 ということで、道の辺のアザミの花と護摩堂山遠望の写真。
 アザミの向こうの河川敷は田畑が広がっている。
 信濃川の河川敷は、河川敷であることを忘れてしまうほどに広く、果樹園や田畑に利用されているところが多い。

(護摩堂山遠望)
 護摩堂山は昔、アジサイの咲く季節に登ったことがあるが、どの峰がそれであるかはよく分からない。多分右端の峰がそれではないかと思う。
 そして、こちらの河川敷には菜の花が満開。

(信濃川河川敷の菜の花畑)
 そして、愉快な光景。
 河川敷の公園に、巨大キノコの隊列。

(雁巻緑地)
 地図で調べると、此処は雁巻緑地という場所のようです。

(同上)
 キノコの隊列をやり過ごして見えて来たのは小須戸橋。

(信濃川沿い・小須戸橋付近)
 県道1号線は小須戸橋東詰で県道41号線と交差している。
 ここで、県道41号を右に行けば、信越本線の矢代田駅前である。
 新潟駅はまだ遠い。

(信濃川河川敷の藤の花)
 藤の花も咲いている。
 伊久里の森の藤の花ならぬ、信濃の川の藤の花である。
 常かくし見む、と言いたいところであるが、大阪人のヤカモチはそうもゆかないか。

(オニタビラコの群生)
 こちらは土手一面のオニタビラコ。ニガナかも知れないが、ここはタビラコとして置こう。
 それやこれやと走っているうちに、ようやく前方にビッグスワンが見える場所まで帰って来ました。
 もっとも、下の写真はズーム撮影なので、肉眼ではまだ遠くに見えるだけなのであります。

(前方にビッグスワンが見えて来ました。)
 ずっと、堤防道を走るつもりでいたが、この先のどこであったか、堤防道はなくなり、県道1号を車と並走しなくてはならなくなる。
 しばらく車と並走するが、走行車両が多く、道幅も狭いので、和田地区付近で、県道1号を回避し、磐越自動車道に沿った一般道を走るべしで、脇道へ入る。

​(磐越自動車道沿いの道の卯の花)
 ​磐越自動車道沿いの​道は、日陰になる部分も多く、涼しく、県道1号は勿論、堤防道よりも快適に走れる。
 ビッグスワン(アルビレックス新潟のサッカー競技場)のある鳥屋野潟公園の西へりを走って、新潟駅方面へ。​​


(鳥屋野潟・親松導水路に架かる橋の上から)
 もうここまで来れば、新潟駅前はすぐである。

(鳥屋野潟近くで見かけた面白い建物)
 最後に、鳥屋野潟公園近くで見かけた派手な彩色の建物の写真を掲載して、この銀輪散歩の締めとします。
<参考>​銀輪万葉・新潟県・長野県篇
We stand with Ukrainians.

(STOP PUTIN STOP WAR)





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最終更新日  2022.05.15 20:54:29
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