カテゴリ:銀輪万葉
先日(8月30日)、奈良県と京都府の県境付近に点在する瓦窯跡をめぐる銀輪散歩をしてきました。
瓦窯跡に特別の関心があるわけでもないのですが、6月16日に万葉の小径を訪ねた際に、近鉄京都線の高の原駅の北側に架かっている跨線橋がエゴノキ第一歩道橋という名前であることを知り、その歩道橋から遊歩道が延びていて、その道の名前が「エゴノキの道」だということ、そのエゴノキの道の終点にある公園に、いくつかの瓦窯跡があるということなどを知り、いつか銀輪散歩でこれらをめぐってみようと思ったのが、今回の銀輪散歩のキッカケでありました。 で、JR大和路線の平城山駅前を起点に、上人ヶ平遺跡公園の市坂瓦窯跡から、近鉄京都線・高の原駅前を経由して、万葉の小径の先にある押熊瓦窯跡まで行き、高の原駅まで帰って来るというコース設定で出かけることとしました。 JR大和路線・平城山駅で下車。トレンクルを組み立て、9時11分同駅前を出発。 目指すは、先ず、上人ヶ平遺跡公園。 (上人ヶ平遺跡公入口) (JR平城山駅~近鉄高の原駅コース地図) ※地図は画面をクリックして大きいサイズの写真でご覧ください。 上人ヶ平遺跡公園は、JR大和路線の東側の高台上にあり、JR線の踏切を渡らなければならないが、踏切の位置がかなり先なので(上のコース地図で分かるように、手前の道路交差は立体交差になっていて公園前北東側の道路に直接には行けない。)、ぐるり遠回りしなければならない。また、踏切を渡ってから急坂を上らなくてはならないので、ちょっと大変。地図では高低差がわからないので、現地にて「こんな筈ではなかった」ということがよくあるが、今回もそれでありました。 (上人ヶ平遺跡公園説明碑) <参考> 上人ヶ平遺跡の概要 京都府と奈良県の境に横たわる奈良山の低丘陵は、近世以前においても山城国と大和国の境界となっていました。そして、この境界は、木津川の水運を介して、多くの文化が交流する場ともなっていたのです。 上人ヶ平遺跡は、北方に木津川の雄大な流れを望む奈良山の台地上に営まれた遺跡で、弥生時代から室町時代にかけて栄えた複合遺跡です。弥生時代後期から古墳時代前期には、竪穴式住居や倉庫をもった集落が営まれ、古墳時代中期から後期にかけては、ここに多くの古墳が築かれました。そして、平城京が奈良山のすぐ南側に造営された奈良時代には、ここが都への大量の瓦を供給する瓦生産コンビナートとなっていたのです。平安遷都以後、この台地には中世の墳墓堂が営まれ、関西文化学術研究都市の建設により公園として生まれ変わるまでは、一体を竹林が覆っていました。(現地説明碑より) (同上・説明碑) 広々とした、気持ちのいい公園。人影も殆どなし。 まあ、この日も猛暑日の予報が出ていましたから、人影がないのはその所為であったのかも。 瓦工房跡に設置された覆屋のベンチでしばし休憩。 水分補給。 気温は高いが、この日は幸いに雲の多い空で直射日光にさらされることが余りなかったこともあり、自転車で走っている段には、走っていることによって生じる風が心地よく、快適でありました。 しかし、上り坂など自転車の速度が遅くなったり、停車したりすると、やはり暑い。汗が滴る。 休憩は、木陰などの日陰に限る。 その点、ここの建屋は大きな屋根と柱だけで、壁が全くないので涼しい風が吹き抜けて、生き返る心地がする、というもの。 ツクツクボウシが鳴いている。 ここに、瓦窯、瓦工房が営まれたのは、平城京遷都を契機とするから、奈良時代以後のこと。 それ以前の古墳時代には、この地は墳墓が営まれる墓域であったようで、古墳群遺跡も沢山ある。 (上人ヶ平古墳群・5、7、8号墳) (同上・説明碑) (上人ヶ平古墳群・6、14、15号墳) (同上、説明碑) 瓦窯跡としては、市坂瓦窯跡というのがここの名称。 あをによし 奈良の都の 屋根瓦 まかせよとかも 窯跡あまた (瓦家持) (市坂瓦窯跡・8号窯) (同上・説明碑) (市坂瓦窯跡・2号窯) (同上・説明碑) この地域の瓦窯跡は、京都府側は、この市坂瓦窯跡のほか、五領池東瓦窯跡、瀬後谷瓦窯跡、梅谷瓦窯跡、音如ヶ谷瓦窯跡、鹿背山瓦窯跡、乾谷瓦窯跡、得所瓦窯跡があり、奈良県側には、歌姫瓦窯跡、歌姫西瓦窯跡、押熊瓦窯跡、中山瓦窯跡、山陵瓦窯跡があるとのことだが、今回訪ねるのは市坂瓦窯跡、歌姫西瓦窯跡、音如ヶ谷瓦窯跡、押熊瓦窯跡の4ヶ所のみである。 歌姫瓦窯跡は、こちらへ来る前、池の手前で小さな川を渡って川の右側の道を進んだのであったが、川を渡らずに川の左側の道を進めば、これに立ち寄ることが出来たのでありました。しかし、そのことをすっかり忘れていて、「先ずは、上人ヶ平遺跡公園へ」と走り出してしまったので、やり過ごしてしまったのでありました。ヤカモチがよくやるポカであります。 (みどりの一里塚木津休憩所) 出かける時に買った凍結スポーツドリンクが、残り少なくなったので、寄り道になるが、国道24号の横断歩道を渡らずに、手前の歩道を国道沿いに南へと下って立ち寄ったのが、この「みどりの一里塚木津休憩所」であります。道の駅のようにコンビニなど店があるのではないかと思ったのだが、あったのはトイレだけ。横断歩道のある木津IC交差点(上掲写真の奥に見える京奈和自動車道の高架の下)まで引き返して、横断歩道を渡り、国道24号の反対側歩道を南へと下る。この反対側の道は、京奈和自動車道の木津インターチェンジから延びている入口道路・出口道路の下を潜ることになるので、トンネル(アンダーパス)状態になっている。このわずかな距離のトンネルでも、そこを通過する時は空気がヒンヤリしていて気持ちがいいので、ほっとした気分になる。ささやかな幸せ(笑)。 国道24号の歩道から、これに沿っている住宅団地の道路に移る。更に少し南に下ったところで、左京五丁目緑地の北側外周に沿った坂道の入口があったので、これを上る。 坂を上りきったところに「左京の森」と表示された公園の入口。 「ご自由にお入りください。」とあるので、トイレ休憩、水分補給休憩を兼ねて、ここで休憩させてもらうことに。 (左京の森・左京五丁目緑地) クスノキの木陰にベンチが置かれている。そこで一休み。 水分補給。 残り全部を飲み干してしまった。 しかし、用意して来た手許地図によると、1km弱の近い位置にローソンのあることが表示されているので、心配はない。 左京の森を出ると道は下り坂。下り坂、最高。 朱雀5丁目交差点で右折、ローソンに向かう。 ローソンで凍結したスポーツドリンクをゲット。 ついでにガリガリ君も買う。 道路両サイドにある遊歩道の木陰に入って、これを齧る。熱中症対策。 そして、歌姫近隣公園に到着であります。 (歌姫近隣公園) 歌姫近隣公園に入って先ず目についたのは、このカエデ。 はやくも紅葉が始まっているよう。 かへるでの もみたふ見れば 歌姫の 苑吹く風は 秋づくらしも (偐家持) (同上) 上掲写真の左側建物のところで、左に進むと歌姫西瓦窯跡、直進して奥で右折すると音如ヶ谷瓦窯跡であるが、本日はここまでとし、続きはページを改めることとします。(つづく) <参考> 過去の銀輪万葉・奈良県篇は下記参照 銀輪万葉・奈良県篇(その1) 2007年4月~2019年2月 銀輪万葉・奈良県篇(その2) 2019年3月~ 過去の銀輪万葉・京都府・滋賀県篇は下記参照 銀輪万葉・京都府・滋賀県篇(その1) 2007年7月~2019年3月 銀輪万葉・京都府・滋賀県篇(その2) 2019年7月~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[銀輪万葉] カテゴリの最新記事
|
|