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偐万葉田舎家持歌集

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2024.07.02
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カテゴリ:若草読書会
​​​ ​日(7月1日)は、若草読書会の例会でした。
 課題図書はこれ。

(堀田善衛・加藤周一「ヨーロッパ二つの窓」朝日文芸文庫)
<参考>​堀田善衛​・Wikipedia
    ​加藤周一​・Wikipedia
 この本は、堀田善衛と加藤周一との対談をまとめ、1986年12月にリブロポートという出版社から出版された対談集であり、後に、朝日文芸文庫として出版されたもの。
 堀田善衛は、ヤカモチの好きな作家の一人で、その著作の多くを若い頃からよく読んでいたので、馴染みの作家である。若草読書会でも「スペイン断章」など、過去に取り上げたこともある作家。
 一方の加藤周一は、ヤカモチはこれまでその著作を一冊も読んでなくて、その名前だけは承知しているという存在。読書会メンバーの凡鬼さんは、加藤周一「日本文学史序説」(1975年-1980年)を読まれたらしく、秀逸の著作であると仰っている。
 堀田善衛、加藤周一という二人の知の巨人の目を通して眺めたヨーロッパ論というのがこの本。トレドとヴェネツィアという都市の在り様や歴史から見えて来るヨーロッパ論ということで、「二つの窓」というタイトルになっているのだろうが、「二つの窓」というのは、著者(対談者)二人の目や思考を通してヨーロッパを見るということをも意味しているのかも。
 対談集なので会話体で書かれている。
 そのため一見は読み易い本のように見えるが、両者の会話は縦横無尽、広範多岐にわたり、その話題の背景となる歴史や地理や文化や思想などについて、
読む側に一定レベルの知識や理解がないと、ついていけない点もあったりもする。
 お二人が「そうそう」と言っていることが、何が「そうそう」なのかがよく理解できていないのに、こちらも「そうそう」という気になって、読み飛ばすと言うか、やり過ごしてしまったりするのは、会話体というものの陥穽である。読み易いけれど、難解な本と言える。
 しかし、細部に於いて色々な気付きもあり、示唆に富む本であるから、今読んでも十分に面白い本である。
 ヤカモチは、この本のことは知らなかったので、今回が初読。
 古い本なので、書店に行っても見つかるまいとネットで検索したら、ブックオフのサイトで中古本が見つかりましたので、ブックオフに会員登録をし、申し込むと直ぐ本が送られて来ました。
 一読したる後、恒郎女さんに横流しでこれを贈呈。彼女に読んで貰うこととしました。
 発表者・講師の槇麻呂氏は、若い頃から、ヨーロッパを何度も旅行されていて、トレドもヴェネツィアも複数回訪問されて、その足で現地を歩かれているので、話者としては適任であるかと思うが、彼はこの本をどんな風に料理するのだろうというのが、
ヤカモチとしては​​​興味津々というか、楽しみでありました(笑)。
 それに、槇麻呂氏も堀田善衛の「ゴヤ」、「若き日の詩人たちの肖像」など堀田善衛の本を結構読まれていて、その流れから加藤周一の本にも出逢われたという経緯なので、些か共通する面もあるのでした。

(トレド 前掲書掲載地図)<参考>​トレド​・Wikipedia

(ヴェネツィア 前掲書掲載地図)<参考>​ヴェネツィア​・Wikipedia
 本書は、38年前の対談の記録であるが、ロシアのウクライナ侵略とウクライナへの軍事支援をする西側諸国という構図が長期化する中で、フランスでの右翼政党の躍進などEU諸国にも心配な動きがあり、米国大統領選挙でもバイデンの失速、トランプの勢いが加速するなどの憂慮すべき動きが見えるなど、気がかりな展開となっているが、この二人の知の巨人が存命であったなら、現在のヨーロッパ情勢についてどのような論を展開されるのか、聞いてみたいものである。
 午後1時開会で、今回の例会出席者は、恒郎女さん、凡鬼・景郎女ご夫妻、槇麻呂氏、偐山頭火氏、リチ女さん、和郎女さん、利衣郎女さん、ヤカモチの9名。
 午後4時半頃まで、雑談、脱線話を交えつつ、楽しく愉快なひと時を過ごせました。
 今回は、はるばる東京からリチ女さんがご参加。久々にお元気なお顔を見せて下さったのは嬉しいことでした。
 また利衣郎女さんと偐山頭火氏とヤカモチとの間で、銀輪散歩の合意が成立し、今のところ雨でなければ、一応7日に実施することになっていますが、このような脱線話も適宜にというのが、この読書会であります。
 また、例によって、和郎女さんは彼女制作の作品を多数お持ち下さいましたので、参加者でこれを分け合うというオマケもありました。
 これらの作品はヤカモチのデジカメで撮影しましたので、追って、和郎女作品展という形で別途記事アップさせていただく予定です。

(2024年7月1日若草ホールの前から高安山方向を遠望)
 当日は、雨の予報で、出かける時には雨が降っていましたので、いつものMTBやCBの自転車ではなく、徒歩で若草ホールへと向かいました。
 途中、郵便局に立ち寄り、大した金額ではありませんが、銀行振り込み扱いにしていない銘柄の株式配当金を受け取り、喫茶店で昼食を済ませた後、瓢箪山駅前の果物店で手土産の果物を買い求め、暑い中来られる皆さんへの差し入れにと、セブンイレブンに立ち寄ってアイス類を仕入れたりしたので、結構な距離を歩くこととなりました(この日の歩数計は9038歩)。
 最近は腰痛が酷くなり、長歩きは腰に応えるので、できれば自転車で行きたいのだが、天気予報では大雨などという脅しもあったので、徒歩に切り換えた次第。結果論では雨がパラつく程度であったので、自転車での往復が可能でありましたから、選択を間違ったことになりました。
<参考>若草読書会関係の過去記事は​​コチラ
​​​​​​​<追記>​参考までに、堀田善衛全集第16巻(筑摩書房)の中に「加藤周一君―『ウズベック・クロアチア・ケララ紀行』について」という一文が収められていましたので、その写真を掲載して置きます。

(「加藤周一君」)

(同上・つづき)






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最終更新日  2024.07.02 19:06:35
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