張本に喝!
きのうの横浜-巨人戦の中継中、解説の張本勲が「チームの勝利よりも、個人成績の方が大事というのが 選手たちの本音である」という趣旨のコメントをした。「チームが負けても、自分が3安打すれば心の底では ニンマリというものですよ」。アナウンサーの人も「張本さんは正直な方です」と言うしかなかった。張本勲がどういう人間かはこれでハッキリしたが張本は張本。他は他である。張本ひとりの軽はずみな発言のせいで、今現役でやってるたくさんの選手たちまで同じ目で見られたらどうするのか。「プロ野球選手はみんな自己中なんだ」と子供が誤解してしまうことが将来のプロ野球界にとってどれだけマイナスになるか、張本ひとりにその責任が取れるのだろうか。個人の活躍がひいてはチームの勝利のためになり、チームの勝利がひいては個人の評価を向上させる。この2つは両立しうる。個人成績とチームの勝利のどちらが優先か、というその質問自体に意味がない。それこそが真実だと思う。仮に心底個人成績の方が優先だと考える人がいても、責任ある立場でしゃべるときは本音を言わなければよい。そういう嘘なら許されるべきである。方便の嘘とはそういうときのためのものだ。そういう理屈をさしおいて、わざわざテレビで個人が優先と公言してはばからない必要はどこにあるのか。そうでなければ三千本は打てないというのなら、別に三千本打つ選手が二度と出てこなくてもいい。二千本打って名球会を辞退した落合博満の方が物議をかもしたとはいえ、はるかに筋が通っていた。