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テーマ:山登りは楽しい(12250)
カテゴリ:山の雑学
「高尾山で硫化水素中毒による自殺者相次ぐ!」
いやなニュースです。 高尾山は今でも修験者が水垢離などの儀式を行う神聖な霊山であります。 その神聖な霊山で命を絶つとは何という不届きでしょう。 よりよく生きよう生きようと誰もが願っているそのその傍らで自らの命を絶つとは・・・ 「誰でもいいから殺したかった」とか家族道連れにとかいうトンデモ事件よりは遙かに善良ですが、それでもみんな「命」を何だと思っているのでしょう? まあここで自殺の是非についてとやかく論じても仕方ありません。 せめて山で死ぬのは辞めてください。 ともあれ最近硫化水素を使用した自殺が増えているようです。 硫化水素は登山者にも無関係ではないのでここでちょっと講義など 硫化水素は火山性ガスの一種で温泉地でよく匂う卵のくさったようなにおいの素ですね。 化学式はH2S 式量は34.08 g/mol 空気よりも重く地形の窪んだ所に滞留する傾向があります。 東北や九州の山など今なお火山が活発に活動しているところでは登山道でも危険なところがあります。 何年か前に東北の某山で登山者が急性中毒で何人もおなくなりになったことがりました。 2年前には東北のD湯にで雪のふきだまりに貯まっていたガスを吸って家族何名かが一瞬で中毒死する事件もありました。 硫化水素ガスが卵の匂いがするのは0.41ppmからで普通に活動できるのは10ppmまで。温泉地はこの範囲にあります。 100ppmを越えると嗅覚が麻痺して匂いがしなくなります。 200ppm~で1時間で中毒症状 そして1000ppmで即死です。 登山者としての対策としては火山性ガスの予測される山に行くときは事前情報を得ること。 そしてそのような場所を歩くときはなるべく高いところを歩くこと。窪んだ地形には立ち入らないこと。 秘湯探索のマニアならガスマスク携行で山に入っているようですが登山者にそれを求めるのも無理なもの。 硫化水素が山に自然にあるものならばそれに対して研究し対策を考えるのも山屋の宿命。 山屋は山に死ににいくのではなく、危険を乗り越える為に山に登るのです。 最近のニュースからそんなことを思ってみました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年04月06日 23時45分55秒
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