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カテゴリ:日本酒、酒蔵めぐり
台風7号が去って、とても晴れた午後になりました。
今日は待ちに待った出羽桜さんの蔵見学です。 山形No.1、今年は全国でも吟醸酒部門で2位に輝く蔵です。 本日は、われわれの数少ないスタッフ全員でおうかがいしました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 補足ですが・・・ 出羽桜さんは山形市から、 車で20分ほど、天童市舞鶴山の麓、旧国道13号線沿いにあります。 この山をはさんで北東方向に天童温泉があり、山寺観光のときの宿泊地となってます。 将棋の駒の生産量の95%がここ天童市で生産され、私の大学の 同級生の友人も天童で将棋の駒を作っているそうです。 「馬」が逆になった「逆さ馬」の将棋の駒の置物をみたことがありませ んか?左馬ともよばれるこの駒は、昔から、福を招く、めでたい商売繁 盛の守り駒としてありました。 変な置物だなーって昔から思ってましたが、なるほど「うま」を反対に よむと「まう」で祭りで舞う、縁起がいいとのことでした。 このような風土の町で、出羽桜さんは造りをとても大切にし、生酒、 吟醸酒にこだわったお酒を数十年前から展開してます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 蔵は全部で4つ。 酒造りの蔵が2つ。写真の天童市の本社と 山形市内男山酒造より西に下って踏み切りをわたり、そば屋三津屋 よりも少し西。 それと精米蔵「天空蔵」貯蔵蔵「酒眠蔵」 まず驚いたのは、精米所がある「天空蔵」。 大規模でしたね。精米機が3本。140俵(1俵=60キロ)が 一気に精米できるのです。 精米ってどうやってするのかわかりませんでしたが、今回初めておしえて いただきました。こまみたいな臼 が回っているところに米を落としてやるそうです。それを繰り返す。 すこしずつ角が取れていくイメージです。 50%精米(玄米の半分)を削るのに、50時間も回しっぱなしだそう です。いやはや。気の遠くなる話です。 昔は、もちをつく臼と杵みたいなので、すりつぶしていたみたいです。 キレイには精米できなかったことでしょう。 それを何度も繰り返して、小さく小さくしていくのです。 ごはんとして食べる米は、せいぜい7~8%くらいしか削ってないです。 お酒を造るための原料米は、50%も削るなんて贅沢ですよね。 案内していただいた鴨田さんいわく、 直精米のメリットは4つ。 ・酒造工程の計画がきっちりたてられる。 ・精米の歩合がきっちりできる。 ・その年の米の傾向がわかる。 ・精米後の米の”からし”(水分補給)の時間がきっちりとれる。 4番目の”からし”については、精米時に熱をもって飛んでしまう水分を、 精米後の米にもどしてやることだそうです。なんでからしなんでしょう? どれも、原料を大切に考え、原料が命であるということのあらわれ だと思います。 そして次には、造りの工程。 様々な蔵にいってますが、酒を造る量が多くても人手のかかる部分は 決して効率化しない。 もっとも手をかけなきゃいけない部分に手をかけることの大切さを 知っているという感じがしました。 意外と昔ながらの造りを継続している部分がおおいということを感じ ました。 最後に「酒眠蔵」がある貯蔵庫。これだけの徹底した温度管理と貯蔵 は、生酒のパイオニアだからできるゆえんなのでしょう。 貨物運搬用のコンテナが、貯蔵のはじまりだったといってました。 温度も6つあるコンテナ全てが違う温度でした。 お酒造りって、手をかけただけ跳ね返ってくる。そして、その時々の 最適の温度を与えてやることが、おいしいお酒の条件なんだということ をつくづく感じました。 もちろん飲むときも同じ。なんともロマンがありますよね。 正直、ビールなどにはない世界だと思います。 おうかがいしたとき、仲野社長からも出迎えていただきました。 「ぜひともいいところを探してきてください」 と仲野社長。「日本酒を評価するときは、減点法だけど、やはり ワインのように加点法にしないと」 確かにそうです。初めての人とお会いするとき、友人と会うときも、いつも いいところを探そうと思えば、何かしら生まれることがおおいですよね。 何事もぷらすぷらすで。 あまり美的センスのない私ですが、出羽桜美術館も拝見しました。 先代の社長の李朝の陶器コレクション、それに現社長のコレクション 有元利夫さんの絵や、斉藤真一さんの絵を拝見しました。 なんでもこの美術館は、もともと社長のご自宅だったそうです。 そんなこんなで正味約3時間という長い時間でしたがとても有意義な 時間でした。 ”いいとこさがし”の結果は3点。 ・造りへの志 ・貯蔵 ・社長の人柄 これに尽きます。 今年の夏は、山形讃香の台湾進出記念行事などがあるそうです。 「酒は文化なり」 この言葉とても好きです。 台湾、ドバイ、アメリカ様々なところに出荷されている、出羽桜のお酒。 日本酒文化をもっと広めたいものですね。 芸術的文化は私勉強不足でした・・・もっと勉強します。 本日はりがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 29, 2005 07:51:50 AM
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