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カテゴリ:日本酒、酒蔵めぐり
山形県の真ん中河北町にあるあら玉さん。
ついに新酒ができたとお聞きし、かけつけました。 新酒は2種類本醸造生原酒葉山おろしと純米吟醸谷地のあらばしり どちらも今の時期搾りたてで生酒で、冬季間(4月)のみの限定販売 です。 私がおうかがいしたときは谷地のあらばしりのちょうどしぼりの 最中でした。 なぜ「荒ばしり」という名前か?それは酒造用語で槽で搾るとき、 いちばんはじめに出てくるお酒が「荒ばしり」だということです。 荒あらしく、フレッシュな感じがしますよね。 少し圧をかけ中間に出てくるのが、「中だめ」あるいは「中取り」。 そして最後に圧をかけ搾りきるのが「攻め」 この3段階を分けて商品化したり、あるいはブレンドし商品化したり 様々です。 東の麓さんでも荒ばしりという商品があり、今時期限定の生酒は900mlというすこし 変わったボトルに入っています。 さてさて、今日は香りと成分の話しをおうかがいしました。 和田弥寿子さんは妻の大学の先輩で、いつも懇意にしてくださいます。 お酒の味をあらわすときにもっと明快な言葉はないのか?とおもい おうかがいしてみました。 お酒の味の要素は エステル系の香り、 酸味の有機酸系、 旨味のアミノ酸 この3つの要素のバランスだといいます。 よく使う吟醸香。これは2種類に分類されるとのこと。 エステル系の酢酸イソアミル(バナナ系)と カプロン酸エチル(りんご洋梨系) これはアルコール分に解けやすく、お酒を搾ったときに、酒粕に ほとんどが移ってしまうようです。 酸は 酢酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、乳酸があります。 そしてアミノ酸がどのくらい含有しているかによって、バランスに なり、甘口、辛口、濃厚、淡麗など分類されるのです。 うーんわかりづらい。 もっと明確でわかりやすく表現する方法はないだろうか? これからの課題です。 今年は気温が低めで推移しているため、「酸が少ない」穏やかなお酒になりそうです。 お米と麹と水でお酒ができるのですが、これら3つにはありえない 成分がお酒には出てくるというのは、微生物の神秘の飲み物ですね。 ちょうど搾り途中の純米吟醸谷地のあらばしりをタンクから少しいただきました。 ピリッとした新酒ならではの発泡感に、穏やかな丸みを帯びた お酒でした。 やはり新酒はフレッシュでいいですよね。 24日から出荷開始となりますので、年内には間に合います。 ご家族と新酒を楽しみたい方はぜひご利用くださいませ。 つぎに秘密の小部屋を見せていただきました。 酵母の培養室です。 「私の聖域」と自分でおっしゃってました。 酒造さんでは酵母は山形県工業技術センターなどから購入してくる のですが、培養からされているところは楯の川さん以外は見たことが ありませんでした。 (他の蔵さんは見たことがないだけかもしれません) 自分で作った培地を利用して純粋培養をはじめたのが今から3年前。 胃潰瘍になりながらも取り組んだおかげで、蔵の酵母となじんで いいお酒になってきたといわれるそうです。 ちょっとした変化によって酒質は大幅に変わってきますから楽しみ ですよね。 2月には5日間限定でマル秘のお酒を発売予定です。 どうぞお楽しみに。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ お酒造りは必ず1シーズン毎ですので、1つ変えても成果が見えて くるのは2~3年後だったりします。 今若い世代が酒造りに携わっている山形は、嗜好の変化にも柔軟に 対応しよりよいお酒を造るための努力を積み重ねることができる土壌 がしっかりとできているのではないかと思います。 すでに全国的に名前の知れている蔵だけではなく、これからも必ず や全国的に有名になる酒蔵が増えてくるのではないでしょうか? ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ あら玉さんとこれからの山形の酒についてとても楽しみだという かたはクリックお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 23, 2005 01:04:35 PM
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