|
カテゴリ:日本酒、酒蔵めぐり
今週の月曜日山形県南陽市の東の麓さんにおうかがいしました。
愛山という希少なお米で造った「テツ」の生が今時期数本だけあるということで飛んでいったのです。 愛山は言わずと知れた幻の酒米。 日本酒道會という12蔵で組織した蔵だけが年間約200t俵数に直すと3400俵(1俵60kg)程度しか造られていないお米愛山を使ってお酒を造っているのです。 米の質は超軟質米。仕込みの時も溶けすぎないように気をつけて います。 先日袋取りでとったお酒で数本だけ生とにごりがあるということ。 袋取りとは、お酒を搾るときヤブタという横から圧力をかける圧縮機械 もしくは、フネという上部より圧力をかける機械を使います。 これがヤブタ。 まるでアコーディオンのような感じです。 1枚1枚布があり、もろみを流し込んで横から圧力をかけて搾る。 布のところにつくもろみの粕が酒粕(板粕)です。 そしてこれがフネ。 したの箱のようなところに布袋につめたもろみを並べて上部より圧力をかけるもの。 巨大万力みたいなものです。 そして、袋採りはこのような感じ。 もろみを布袋に入れ、吊るして無圧で出てくるお酒です。 山形の蔵は7~8割がヤブタで搾り、2割がフネ。 そして、鑑評会出品酒や特別な酒は袋採り(袋吊り)をしています。 全てにおいて一長一短があり、 最も良い質のお酒ができるのが袋採りです。ただし時間も手間もかかり ますし、無圧でずっと待っていると初めと後に出てきたお酒に違い があり、生状態で置いておくという劣化の危険にさらされている ことになります。 また、酒のおりも多くでます。 おうかがいしたときがちょうど鑑評会出品酒の火入れ (60度程度の熱による殺菌) をしていたところでした。 やはり新種の時期だけあって様々なお酒が出ています。 特別純米東の麓のにごり酒白い雫が地元のみで販売されているそうです。 1本購入してきました。 またテツのお味は?? 生のお酒って本当に今時期しか飲めないのでとっても貴重です。 食べ物にも鮮度があるように、お酒にも鮮度があり、生で飲むことが できる時期はこの寒い時期だけ。 しかも劣化のスピードが早いため火入れをして、劣化のスピードを 抑えます。 それでも常温だと劣化が進むため冷蔵管理をするのがもっともいい 状態で保つことができます。 一口きき酒をして幸せな気持ちになりました。 生独特の生き生きとしたお酒の味とともに、愛山のまろやかさが 合わさり、そして切れ味がすばらしくいい。 火入れと比べてみました。 火入れでそれも昨年度のお酒でしたが、含んだときのまろやかさは 愛山特有のものでした。 味がしっかり出ているのは火入れ済みのもの。 しっかりとしたまとまりがあります。 生はそのフレッシュさがとてもいいです。 愛山のお酒はくどき上手、十四代のものしか飲んだことがありませんが、 テツが一番好きです。 龍という字を四つ書いてテツと読みます。 テツは、8歳の子供が書いたラベルを使っています。 とてもインパクトありますよね。 結婚式でもこの愛山のお酒を使いたいとの要望があったそうです。 3月までしかないこのお酒。おそらくすぐ売り切れてしまうでしょう。 いいものは現場に行かないとなかなか見つからないですね! ありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[日本酒、酒蔵めぐり] カテゴリの最新記事
|
|