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カテゴリ:日本酒、酒蔵めぐり
今夜は第3回日本酒学校がありました。
山形酒造組合が企画して開催しているもので、日本酒について深く知ることが目的です。 さて今回は月山酒造杜氏布宮さんと千代寿虎屋杜氏菅野さんからそれぞれお話しがありました。 蔵見学には残念ながら参加できませんでしたが、講演からの参加です。 千代寿さんには1月に1度おうかがいしたことがあり、今回は2度目の訪問ですが本日日本酒学校が開催された部屋は初めてです。 蔵の2階に昔からの酒造り道具と酒器、それにテーブルは木樽の底。とても風情があります。 壁には「國酒」とかかれた色紙がずらっと張られていてしかも歴代の総理大臣の名前が・・・ このような場所はぜひレストランとして使いたいものです。 まずは千代寿大沼社長より挨拶がありました。 山形県の酒造りは、地元の人が蔵人であり杜氏であること。千代寿さんがある寒河江は昔から砂金がとれ、岩手県平泉より前に慈恩寺というお寺が開かれたことなど歴史についてのお話しがあり、そして、月山酒造杜氏の布宮さんから山形県研醸会の歩みについての話がありました。 ほすい会の仕込み体験会の時には大変お世話になりました。 研醸会の成り立ちは、山形県の日本酒が全国的にもあまり実績を残しておらず、昭和61年全国新酒鑑評会で金賞数ゼロになったのをきっかけにこれじゃいけない山形県で勉強会をしようと考え立ち上げられた、酒造さんたちの会です。 地元杜氏が多い山形では、蔵どおしの交流が少なかったため情報交換がなされていなかったということもあったそうです。 初代会長は和田酒造の社長こと和田多聞さん。当時は30代だったそうです。 そして幹部も皆様若手が入り、造る人自身が自費で勉強会を開催したそうです。 毎年総会では著名人から講演を聞き、それ以外でも様々な情報交換をする場を設け、それによって各蔵が技術の向上をはかることができたそうです。 山形県は庄内地方と村山、置賜、最上と4つの地区に分かれていて、山が障壁となり交通の便があまりよくないところがあります。 しかし、この会が開かれることで県上げて意識が高まり、距離にして200km程度ある庄内と置賜の交流も盛んになりました。 なにより技術の共有が工業技術センターを中心に行われたのが大きいかと思います。 各研究班があり、酒米班、酵母班、酒質班それぞれが研究をし、発表をする場、そして金賞受賞蔵による講演の場、市販酒のきき酒、新潟酒研との交流など様々なところを通して醸造技術を上げるための試みがとられたそうです。 一昨年全国一の金賞受賞を成し遂げた山形県ですから、このような積み重ねがあったからこそだと思います。 次に千代寿菅野杜氏より酒母と酒質についてのお話がありました。 酒母とは日本酒の醗酵段階で必要となる酵母と乳酸を純粋培養によって増やし、仕込み全体の7%程度の蒸米と麹を使って造るものです。 大きな仕込用のタンクではなく、直径が50cm~1m程度の小型タンクに2週間から1ヶ月の期間を使い培養するものです。 酒母の造り方は何通りかありますが、山形では速醸(通常の速醸と高温糖化)ときもとが一般的です。 速醸は市販の醸造用乳酸を添加する造り方です。 第2回日本酒学校で男山さんでなめましたが、かなり酸っぱかったです。 そしてきもとは空気中の乳酸菌によって乳酸が発生するやり方です。 どちらも一長一短ありますが、速醸のほうが手間は少なく2週間程度でできます。逆にきもとは温度調節を小まめにおこない、3~4週間程度かかります。 ただ、様々な成分が含まれるため深みのある複雑な味わいになるそうです。 以前おうかがいした麓井さんは全てきもと造り、上喜元さんも一部きもとがあります。 山形県でも内陸ではきもとをやっているところはあまりききません。 月山酒造さんでは速醸でも高温糖化酒母があります。 このような説明をきき本日は6種のきき酒がありました。 速醸 千代寿 清流寒河江川 六歌仙 さわやか吟醸 高温糖化 銀嶺月山 月山の花 生 銀嶺月山 月山の雪 生 きもと 初孫 DEWA33しぼりたて 麓井 麓井の圓 細かい説明を聞くと、少しは味の違いがわかった気がします。 きもとは確かに深みのある複雑な味がします。 高温糖化は甘味が強い気がしました。 速醸は酸味があり、若いかんじがしました。 酒造もスペックも違うので一概には言い切れないところもありますが、なにかしら”なるほど”と感じるところもありました。 普段飲んでいて気づくことができるかどうかは疑問ですが、らしさはわかるような気がしました。 そんなことを踏まえながらいろいろ飲んでみたいと思います。 本日はたいへん参考になりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 20, 2006 01:56:06 AM
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