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カテゴリ:日本酒、酒蔵めぐり
この日もいい天気でした。
久しぶりに米沢の新藤酒造店におうかがいしました。 酒の定義やお酒の造りについていろいろと教えていただきました。 <酒の定義について> 今では普通酒という定義は酒税の関係上存在していますが、その定義がおかしいという話になりました。 晴れて免許の条件緩和で普通酒も扱うことができるようになったわれわれですが、アルコールの添加量によって変わる本醸造と普通酒の違い。 私たちの年代の普通酒は?純米酒や純米吟醸酒がある意味スタンダードな酒=普通酒です。 ただ、定義上はそれは違うのです。 酒自体の定義が過去とは変わってきている今。定義上は普通酒でもとてもすばらしいお酒はあります。しかし、それは造り手が手間を惜しまず酒造りに取り組んでいる結晶です。 私も免許を昨年取得したばかりですが、酒の定義にはちょっと疑問をいろいろ感じていました。 特別純米酒と純米酒の違いがいまだにわかりません・・・ <香りについて> お酒のあのフルーティな香りについて聞いてみたかったと思っていました。 私の中では、すばらしく強烈なインパクトがある酒にだけ感じる、香りの中にあるフルーティなフレッシュな雫のような風味を含んだ瞬間に感じます。よくわからない表現ですみません。 例えば、泉氷鑑奏雪や雅山流極月ひとりよがり、龍の落とし子などに感じるあれです。 なぜそれができるのか聞いてみたかったのです。 一つのポイントはいかに丁寧に造るか。麹や酵母の組み合わせももちろんのこと、搾った後の対応にあるようです。 酒造りに携わっている方々ならわかるといってましたが、温度が高い状態にあるお酒の時間がながければ長いほど香りは抜けてしまうこと。 いわゆる積算温度によって決まります。 もちろん火入れ後の温度管理によっても変わります。 10℃以下で保存ができれば、火落菌は発生しませんし、-5℃以下であれば生酒の変化も極力少なくて済みます。 瓶詰後火入し、急冷をするのはとても手間がかかりますが、そうすることで蛇管で火入れをし、熱酒をタンクで冷却するよりはるかに品質の傷みを防ぐことができる、その積み重ねがいい酒にもつながるのだとおっしゃっていました。 もちろん、麹、もと、蒸米の造りについてもそれぞれが一生懸命行うことでとてもいいものができてくるのです。 失敗作でも一生懸命造ったお酒は飲めないことはないとおっしゃっていました。 雅山流は直田栽培米を使ったお酒のシリーズですが、泉氷鑑は山形県産米(出羽燦々、出羽の里、美山錦など)でその枠にはとらわれず様々な試みと酒の面白さバリエーションを楽しめるシリーズです。 それがことしのしぼりたての2種類が象徴しています。 提供する私もそのコンセプトをしっかりと認識しているつもりです。 この日は夏場に完成した低温保管庫を見学しました。 ラベルを貼るエリア、10℃設定の特定名称クラスの出荷待ちの部屋、-5℃の低温貯蔵の部屋とつに分かれています。 裏には出羽燦々の広大な田んぼがあります。 醸造計画をそろそろたてなければとおっしゃっていた忙しい専務でした。 そういえば、先日友人が新藤さんと「もやしもん」という漫画で盛り上がったときき私も読みました。これはなかなか面白いです。 醗酵の世界、菌の世界にご興味がある方、ぜひ「もやしもん」読んでみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 4, 2006 12:17:19 AM
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