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カテゴリ:日本酒、酒蔵めぐり
今年で2年目になる竹の露さんでの蔵仕事。
蔵におうかがいしたのは1年前。麹に含まれる酵素の成分、麹のできかたなど事細かに教えていただき、私にとって日本酒の世界を大きく広げてくれた出会いでした。またその酒のよさに感動したのを今でも衝撃的に覚えています。 そしてまた今年もおうかがいしました。 ちょうど小冊子に使うための撮影がはいっていて、私がおうかがいした夕方はその日の朝に引き込みをした麹の手入れと前日にすでに麹蓋に盛った麹の仲仕事をしていました。 ピーンと張り詰めた空気があります。 麹は酒の命。手早く目標の温度帯に持っていくように手入れをしています。 この手入れ加減によって、麹の中の酵素成分のが変わってくるので、酒の味にもっとも影響を及ぼします。 これは一升盛りした蓋麹の枠を取り一旦均一に伸ばし盛りをつくる。 表面に見える白い斑点が麹菌が付着しているところです。 夕方の時間帯から一気に麹菌の働きを強めるよう、温度帯の調整、手入れの調整が最も大事になってきます。 赤子を育てるがごとく手をかけるんです。 水分を求める麹菌がしっかり米の内部まで菌糸を伸ばし働くことで様々な酵素をだし、それがおおきなタンクの中で米のデンプン質をブドウ糖に変え、そのブドウ糖を利用して酵母がアルコール発酵を行っているのです。 また、麹の中に含まれる様々なタンパク質分解酵素によって味にもかなり影響してきます。 均一になるよう、全員が同じ作業を同じタイミングで実施していました。 16時からの作業が終わりひとまず休憩、20時に再度温度チェックをし目標温度にするために21時30に仕舞い仕事をすることに決定。 一段とびで入っている麹に手をいれ上としたをかえ温度帯を均一にします。 また窓側と奥も変えます。 これが21時30分の仕舞い仕事。盛りを手をいれ麹に酸素を供給、枯山水のように均一にそして盛りをつくる作業です。 この日は亀ノ尾の麹だったため手早くする必要がありました。亀ノ尾は麹が内部に入り込むまでの殻が固いため温度を下げることは出来ないからです。 私も昨年の経験を生かして少々させていただきました。 まだまだ修業が足りないようです・・・ 仕舞い仕事でかなり緊張し、とても温度が高い室(むろ)での作業だったためどっと汗をかきました。 これから次の積み替えまで3時間ばかりお楽しみの白露垂珠タイムでした。 まずは吊雫純米吟醸生詰原酒京の華 ずっしりしっかりの旨さです。5年熟成とは思えない、爽やかさと軽やかな熟成感そして米のうま味の余韻を感じる・・・なんともいえません。 次は吊雫純米吟醸生詰原酒美山錦 この日はコレがいちばんお気に入りでした。爽快かつ軽やかな味わいとキレのよさ。 吊雫純米吟醸生詰原酒出羽の里 安定してます。飲みやすさナンバーワン。香りがたまらなく甘みが出たと思ったらさっと引く。美味しい。そしてバランスがいい。シアワセです。 大吟醸出羽燦々(東北出品用) 香りたかく、流れしみわたるように身体に入っていく つまみは12月2週目鶴岡の大黒様の祭りで必ず食べるハタハタ。大黒様の祭りではメスの卵たくさんのハタハタを田楽味噌をつけて焼いて食べるそうです。 そしてこれは、タレにつけて焼いたハタハタ。淡白な身とタレが絶妙。骨以外は全部食べられるという美味しさ。最高に美味しいです! ご一緒させていただいたカメラマンの東海林さんは主に風景写真を撮影されていて山形の在来野菜のポストカードなどをつくっています。今回は撮影依頼で2日間も撮影をされているとこのと。 この日は夕食をご一緒して、私と一緒に竹の露さんに泊まりでした。 お酒の味の話、造りの話などを竹の露相沢さんとしていると、聞いたことがない言葉がたくさん出てくるのでよくわからないとの話がでました。 そうだ1年前の私もそうだった、仕込みのこと、麹のこと、味のことなど全くわからないでいろいろ聞いていました。 でも1年で様々なことを蔵の方々きき酒などから学び発信しているんだということも実感しました。 専門的な知識をもち、そしてわかりやすく伝える。それが私の使命だと思いました。 東海林さんは 「相沢さんの人柄に引かれ、そしてこの酒に引かれた。そして地元のお米、人、水だけにこだわったお酒はまさに地酒」 とおっしゃっていました。 相沢さんは、 「ここ羽黒の酒として、全てが地元産であることは地元に守られている竹の露であり、地元を大事にする竹の露でありたい。それが地護酒(じごしゅ)なんだ」 という話をしていました。 オール地元だけの酒。コレが本物の地酒だと確信しています。 そうそう、山大農学部栽培の出羽燦々で仕込み中のタンクと、初しぼり白露垂珠と雪ほのかのタンクをみてきました。 タンクから漂う香りが違います。いい香りです。 25日からお届け開始です。ご予約分のみだけの本生発送。お楽しみに! 夜も更けて12:30 蓋の積み替え作業を行います。 先ほどと同じように温度が均一になるように上と下、窓側と奥の交換です。 無事目標温度に達したようです。頑張りました麹くん。 3時間おきに行うので次は3:30の予定です。 このときすでに酔っ払ってしまったため今年もまたもや撃沈。 6:00過ぎに起床でした・・・ 二日酔いの影響で朝調子が悪く、9時過ぎに再度蔵に戻りました。 米磨ぎ~浸漬の作業です。 徐々に吸水していくお米たち。この日も亀ノ尾でした。 12月は酒蔵の繁忙期。仕込み作業から、新酒の瓶詰め出荷まで様々な仕事に追われています。そんな中毎年おうかがいして、また新たな発見があった竹の露さんでした。 相沢さんならびに蔵の皆様ありがとうございます。 今度はしっかり体調を整えておじゃまいたします。ありがとうございました。 あと2週間、新酒初しぼり白露垂珠と雪ほのか楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 17, 2006 12:07:12 AM
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