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カテゴリ:日本酒、酒蔵めぐり
この日は山形県の統一ブランドDEWA33の求評会。
DEWA33とは山形県産の酒米「出羽燦々」と種麹「オリーゼ山形」酵母「山形酵母」を使い山形の酒蔵が地元の水で造る純米吟醸酒で、審査を経て基準を通過したものだけがDEWA33のラベルを貼ることができます。 毎年酒造が造るDEWA33を山形県工業技術センターにもちより、工業技術センターの技術指導員の先生方から好評を聞く場になっています。 今年はDEWA33が30点、出羽燦々を使用した吟醸酒が7点、出羽の里が8点出品されていました。 今年は一般公開はなかったとのことですが、13:00~14:00の間はきき酒ができた模様です。 私は残念ながらいけませんでした・・・ さて14:00からは酒米の里づくりフォーラムということで、優良酒米コンテスト表彰や酒米についての講演、酒米についてのパネルディスカッションがありました。 酒造関係者が多く来場しています。 私もいってみました。 酒米の里で知られる山形県。コシヒカリや今の酒米の祖先にあたる亀の尾の生みの親は庄内の阿部亀治さんという方が発見し、そのほか様々な酒米が山形県から生まれています。 山酒4号や、おなじみの86号(出羽の里)、京の華、国の華、改良信交、豊国など米処だけあって昔から多くの酒米がつくられていました。 山形県では県知事賞で酒米部門があるのだから驚きです。 山形セレクションにも選ばれている山形讃香は県知事が様々なところに行くときの手土産として持っていくお酒にもなっていますし、DEWA33基準よりもっと高い審査レベルで数蔵だけが造ることが許されています。 規格はDEWA33規格から精米歩合を高めた純米大吟醸酒です。 工業技術センターの小関先生より「出羽の里による酒づくり」の講演がありました。 山形県は全国平均に比べて特定名称酒の割合が高いです。約55%が特定名称酒。 特定名称酒とは、大吟醸酒、純米吟醸酒、純米酒、本醸造酒などの名前がついているお酒です。 しかしお隣宮城県や新潟県、静岡県、石川県のほうが特定名称酒の割合が多いんです。 しかも宮城県、静岡県、石川県は純米酒の割合が多い。 酒米の里山形県でも、純米吟醸酒の割合は高いですが、純米酒の割合は低いのです。 また県別の精米歩合では、山形県は60%をきって58.8%。 小さな蔵元が多かったのと宣伝ベタだったという理由により、工業化できなかった分小仕込で今でもまじめにいい酒を造っているというわけです。 山形県が弱い純米酒を強化していこう!その試みが山酒86号いわゆる出羽の里の開発につながっているんです。 出羽の里は心白発生率が高く、しかもたんぱく質が少ない。 →低精米でもすっきりした味になる。 醗酵してもアミノ酸が出ない → 熟成にもむく、燗にもいい などなど様々なメリットがあり、出羽燦々とは確実に味わいの違った酒になってきます。 また、DEWA33のように統一ブランドにはせず蔵元につくりをまかせ様々なバリエーションを持たせ山形の酒の幅を広げられる酒米でもあります。 今年から本格醸造が開始される出羽の里。本当に楽しみな酒米でもあり期待の星です。 今まで数多く試験醸造され、製品化されてきましたが個人的には面白いお米だと思いました。 精米歩合80%の上喜元出羽の里と東の麓純米出羽の里65%、白露垂珠55%精米の純米吟醸生詰原酒それぞれ味わいが違います。 ただ、共通していえることは精米歩合を高くしなくてもすっきりしたお酒が出来上がるということです。その分価格のリーズナブルさに跳ね返ってきています。そして、なんといっても女性に大人気ということ。 ひねにくいというのもまた魅力ですよね。持ちがいいお酒。出羽の里。 出羽の里のお酒を見つけたらぜひ飲んでみてください! さてその後は海外輸出などの話が出ました。日本では消費が低迷している日本酒。海外ではヘルシーな日本食が注目されそのお供として日本酒が人気なんです。 しかも、普通酒ではなく、吟醸酒が人気。山形県でも年々伸びていて鶴岡の酒造組合では独自にアメリカに行って営業活動を行っていることも。 山形県はこれから品質のいい日本酒を海外へ輸出し、また顧客指名度No.1のお酒を目指して酒造りをしていくという大目標をもって対応していきます。 この銘柄がすき!このお酒が好きでもいいです。 それが山形のお酒で、そのほかの種類のお酒や、別の蔵のお酒も飲んで見たい、なんて思っていただければうれしいなと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 23, 2007 09:55:35 AM
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