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カテゴリ:絵画・音楽鑑賞
仙厓のユニークな絵に惹かれ、先日「仙厓のすべて」を観に出光美術館に行きました。 仙厓義梵(せんがいぎぼん)は、江戸時代に九州・博多で活躍した臨済宗の禅僧です。 40歳で日本最古の禅寺・聖福寺の住職となり、62歳で隠居してからは、数多くの書画を描き人々に親しまれていました。 仙厓は狩野派画法を勉強していたようで、40歳代に描いた布袋図には繊細な描写がうかがえます。 ところが、60歳代で隠居してからは、その面影はなく、簡略化されたユニークな画法に変わっていました。 禅僧である仙厓は、禅の教えや人生訓を庶民に分かりやすく伝えるため、禅画と書を描きました。 その何とも言えないユーモアあふれる絵は、観る人の心を和ませてくれます。 指月布袋画賛 「お月様いくつ 十三 七つ」当時の子守歌 「指月布袋図賛」は、布袋様と子供が月を指差している、とても可愛い絵です。 禅の悟りをあらわす月、求めるものは遥か彼方にあるが、求めることの大切さを説いているらしい・・・。 この書画は、出光美術館の創設者・出光佐三氏が最初に入手した仙厓の絵で、仙厓コレクションの始まりだったそうです。 堪忍柳画賛 「気に入らぬ 風もあろうに 柳かな」 吹き付ける風の中、風に逆らわずしなやかに枝をなびかせ堪えている柳を描いた「堪忍柳画賛」。人生には気に入らないこともあろうが、じっと堪え忍ぶことの大切さを説いているようで印象的でした。 また、仙厓は人々の求めに応じ、多くの書画を描いているうちに手に負えなくなり、83歳の時に絶筆宣言したエピソードも面白いのです。 これ以上書画を求めて来られては困ると門前に「絶筆」と碑に彫って絶筆宣言しました。ところが最後に「絶筆碑」を描いてくれと求められ、結局絶筆できず晩年まで書画を描いていたそうです。 今、仙厓さんが居たら会ってみたい、話を聴いてみたいと思います。 展示室を出て、ミュージアムショップでお気に入りの絵ハガキ(上記など)を買って帰りました。 「仙厓のすべて」は10月16日(日)まで出光美術館で開催されているので興味のある方はぜひご覧になってください。 ●出光美術館のホームページ http://idemitsu-museum.or.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.10.05 10:38:32
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