テーマ:福祉医療関係(1061)
カテゴリ:つぶやき
最近、自治体のウェブなどで「障害」ではなく「障がい」という表記をよく見かけるようになった。
「害」の字の印象の悪さから、ひらがなにする表記を自治体として採用しているのだ。 障害のある人の気持ちを配慮してということのようなのだが、これは果たしてどうなのか。 実際に障害のある人から「障害」をやめてほしいというクレームがあった場合もあるのかもしれないが、自治体の方で言われる前に過剰に反応しているようにも見えるし、「配慮してますよ」というデモンストレーションにも見える。 字の印象で言ったら、「障」だって、あまりよいイメージではない。 じゃあ、ひらがなか? ちがう字(「障碍」など)を使うのか? そういうことをしていたら、きりがないようにも思う。 それより何より、その地域の住民である障害のある人に対して、自治体としての当たり前のサービスをきちんとしていくべきなのだ。 そうすれば、表記のことでクレームが来たりもしないだろう。 クレームの本質は、本当は障害という字がどうこうということではなく、日頃の差別されたことに対する怒りの表現のひとつだったんじゃないか。 字を変えたところで、意識を変えなければ、変わらないのだから。 英語では、障害のある人は、"person with disability"ということが多い。以前は"disabled person"の"person"を省略することが多かったようだが、「障害があること以前にまず人として見てほしい」というところから、表現が変わってきたのだろう。 日本語の場合は名詞を修飾する言葉を後ろからつけることができないので、どちらを訳そうと「障害者」や「障害のある人」や「障害を持つ人」になってしまう。 それで、ひらがな表記という方向になってきたのだろうけど。 もしも、公式表示がすべて「障がい」や「障碍」になったら? まぁ、それはそれでそのうち慣れるのかもしれないけど、それ以前にすることがあるだろうという気持ちがやはり強い。 ところで、Dialog in the Dark(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)のウェブの下の方に、このようなことが書いてある。 ***引用ここから*** 「視覚障害者」の表記について 当ホームページでは、スクリーン・リーダーでの読み上げを考慮し、視覚障害者と表記いたします。「障がい者」と表記した場合、スクリーン・リーダーでは「さわりがいしゃ」と読み上げられます。 ***引用ここまで*** 字の見た感じだけではなくて、聞いた感じについても意識してみる。 ウェブなら、音声ユーザーにどう読まれるのだろうという配慮も必要だろう。 想像力を鍛えるのはもちろん必要。 その上で、考えなくてはいけないのは、やはり「当事者の参加」だろう。 「障害のある人への配慮」を当の障害のある人の意見を聞かないでするのは無理がある。 自治体がまずするのは、当事者の意見を聞く仕組みづくりではないだろうか。 住民の中にはいろいろな人がいる。女性も男性も高齢者も子供も障害者もいるという意識をもてば、難しいことではない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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