|
カテゴリ:国産万年筆
昨年に注文した品。日興エボナイト製造所が万年筆の制作を始めたのを知って、しばらくホームページで様子を見ていた。エボナイトといえば黒や赤などの単色しか見たことがなかったし、漆を塗って色を付けるものだと思っていた。ところが、ここの軸は綺麗なマーブル模様である。混ぜる色によって様々な種類がある。
その中で特に目を引いたのが、黒地に黄色の「江月」。見たとたん「ほしいっ!」。ネーミングがいいっ!なるほど川面に写った月明かりとはとても風流。気がついたらクリックしていた。 基本的に受注生産なので、出来上がりまで待つことになる。この手の万年筆の出来上がりを待つのはmasahiro万年筆で慣れているので、のんびり待つことにした。 笑暮屋さんから今年に入ってペン付けの段階に入ったことをメールで教えてくれた。それからしばらくして発送ということになった。 中身はこんな感じで入っている。きちんと桐箱に入ってくる。スポイトがついているのがインキ止め式である証拠だ。 中身はペンが入っている桐箱とスポイト、インキ止め式の取り扱いについて書かれているプリントが1枚。 桐箱には「萌芽」江月 懐中サイズ インキ止め式 F と書かれている。 桐箱は蝶番がついていて、なかなか凝った作りだ。このまま筆箱にしたい気分。 中にはちゃんと店主からのごあいさつ文が。 インキ止め式は長期保管するときに水を入れた方がいいらしい。実際ペン軸を外して中を見たら水が入っていた。今度から他のエボナイト製万年筆を保管するときは水を入れるようにしよう。 これが萌芽「江月」。クリップはついていない。不用意に置くと、転がっていきそうである。以前、落としてペン先を曲げてしまった経験があるので、取り扱いにはちょっとした注意が必要だ。長さ12.8センチ。 キャップは軸尻に差すことができる。筆記時は15.6センチ。 ペン先は14金。20ミリ。 ペン芯はどこかで見た形だと思ったら、昭和万年筆と同じ形状だった。エボナイト製だろうか。 試しにシェーファーレガシーと並べてみた。あまり長さは変わらない。当たり前だが、軸はレガシーの方が太い。 昭和万年筆と並べてみた。キャップを閉じたときは長さは変わらない。 キャップを軸尻につけると江月が弱冠長くなる。軸の太さは江月の方が1~2ミリ太いのではないか。ペン芯の形状が同じなので、首軸も同じ形に見える。 桐箱の裏にはこんな紙が貼ってある。「江月」の名前の由来である。原典は七言絶句の漢詩のようだ。 ペン芯の後端は穴が開いている。これも昭和万年筆と同じ。ひょっとして、ペン付けをしたのは川窪万年筆店ではないかと勘ぐってしまった。 これでインキ止め式万年筆は3本目である。全てエボナイト製である。なんとなくまだもったいないような気がして、このまま桐箱に入れている。そのうち慣れてきたら、外に連れ出すことになるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[国産万年筆] カテゴリの最新記事
|