カテゴリ:香港電影
“哥哥(お兄ちゃん)”の愛称で親しまれ、本国のみならず世界中のファンに愛された香港のトップスター、レスリー・チャン(張國榮)が中環(セントラル)の文華東方酒店(マンダリン・オリエンタル・ホテル)の24階から飛降りたのは、03年4月1日(火)のことだった。
レスリーの訃報は日本でも直ちにニュースとして取り上げられたため、余りにも突然すぎる彼の死に、私はTVの前で愕然とした。 あの日から10年経った今でも【張國榮留遺書跳樓死】と題された雅虎香港(YAHOO! Hong Kong)におけるレスリーの死亡記事と、アンディ・ラウ(劉徳華)がブログ「華仔日記」で03年4月1日に記した訃報に対してのコメント(をプリントアウトしたもの)を手放せないでいる。 私が初めてレスリーを知ったのは、今から20数年前のことだった。 大学2年の時、当時想いを寄せていた男性に勧められて「狼 男たちの挽歌・最終章(喋血雙雄)」を映画館で鑑賞し、チョウ・ユンファ(周潤發)に魅了された。 そしてすぐさまユンファの主演作を何本かレンタルビデオ屋さんで借りて観た中に「男たちの挽歌(英雄本色)」があった。 偽札組織の幹部であるヤクザな兄・ホー(豪)を憎む警察官の弟・キット(杰)役をレスリーが好演しているこの作品で初めて彼を知り、続編である「男たちの挽歌II (英雄本色II)」ですっかりファンになってしまった私はレスリー出演作を見まくった。(実はその後「欲望の翼(阿飛正傳)」を見てアンディ・ラウに目移りしてしまった恥知らず野郎でございます) レスリーの出演作品全56本(ゲスト出演含む)のうち、特にお気に入りの作品はというと、初々しい書生役がめっちゃキュートな「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(倩女幽魂)」、女幽霊が50年前に心中した相手を退廃的に演じた「ルージュ([月因]脂扣)」、ポルノ映画を監督することになって悩む青年映画監督役で、レスリー自らが監督した映像も見られる「夢翔る人 色情男女(色情男女)」、株価の大暴落で全てを失った男が捨て子の赤ん坊を育てる「流星(流星語)」等々であるが、代表作を挙げるとすればやはり「さらば、わが愛 覇王別姫(覇王別姫)」だろう。 レスリーが全身全霊を注ぎ込んで京劇の女形を演じきった、その神がかり的なまでの渾身の演技はまさに圧巻。93年のカンヌ国際映画祭パルムドール賞、94年のゴールデン・グローブ賞外国語映画賞など世界各国の映画賞に輝いたのも納得の作品だ。 元々歌手としてデビューし、俳優としても歌手としてもトップスターだったレスリー。死後に発売された数多くのベスト盤をも含めて7~80枚はあるであろう彼のアルバムだが、私が持っているのは「狂戀 粤語經典」「寵愛」「紅」「張國榮跨越97演唱會」と、たったの4枚(「跨越97演唱會」は2枚組だが)。決してレスリーの歌が嫌いなわけではないのだけれど…(^^; この中では「寵愛」を最も多く聴いている。一時は引退を決意したレスリーが6年ぶりにリリースした復帰第一作のアルバムで、リリース直後にチャート1位に輝いたという。90年代に主演した映画の主題歌・挿入歌を集めたこのアルバムは当然ながら名曲揃いで、何度聴いても全く飽きることのない珠玉の名盤なのである。 レスリーが突然この世を去ってから、今年で丸10年。毎年、桜の花が華麗に咲き誇り、その短い命を惜しげもなくはらはらと散らすこの季節になると、必ずレスリーを思い出す 今までも、そしてこれからも、哥哥・レスリーはいつまでも永遠に私の心の中で輝き続けている。And I will always love you. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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