『
殺怒珈琲II』
サッド・カフェ
「
Misplaced Ideals」
Sad Cafe(78)
珈琲カップの底に潜むのは狂気の破片か!?
A面
1.
レストレス - Restless
2.
道化役者の贈り物 - Send in the Clowns
3.
ラン・ホーム・ガール - Run Home Girl
4.
愛に語らせろ - Let Love Speak for Itself
B面
5.
断絶の道 - No Place to Go
6.
マリオ - Mario
7.
リラックス - Relax
8.
死の感覚 - Feel Like Dying
9.
オン・ウィズ・ザ・ショー - On with the Show
アルバムタイトルの邦題から立込める昭和のヤンキー臭が何とも芳しいこのアルバムは、78年にリリースされたサッド・カフェ(Sad Cafe)の2ndアルバムで、その名もずばり「殺怒珈琲(サッドカフェ)II」。
夜露死苦(よろしく)、仏恥義理(ぶっちぎり)、愛羅武勇(あいらぶゆー) みたいに、当時の暴走族の特攻服やヤンキーの学ランに刺繍されていても何の違和感も無さそうな、なかなかイカした漢字当て字邦題である。どうせなら曲目も全てこの路線で突っ走ってもらいたかったが、残念ながら何曲かに付いている邦題はいずれも今ひとつだ。
アルバムの邦題だけ見ると何やら若者向けのHR/HM系、もしくはパンク系あたりを連想しそうだが、これが意外にも非常に耳障りの良い、POPでROCKなプログレ経由AOR系(なんじゃそりゃ!?)だったりする。ちなみにプログレを経由させたのは、サッド・カフェがマンダラバンド(Mandalaband)という74年に英国で結成されたプログレバンドの元メンバーを中心に結成されたバンドだから。このマンダラバンドが74年にリリースした1stアルバムも「曼荼羅組曲(Mandalaband)」という立派な邦題が付いている。
サッド・カフェは76年に英国・マンチェスターで結成されたバンドで、リード・ヴォーカルはポール・ヤング(Paul Young)。といっても84年のエチオピア飢餓救済チャリティ・プロジェクトであるバンド・エイド(Band Aid)の “Do They know It's Christmas ?” でヴォーカルのトップバッターを務めた、あの『ぽーやん』ことポール・ヤングとは全くの別人である。
77年に1st アルバム「悲しき酒場の唄(Fanx Ta-Ra)」をリリース。全英56位という、売れたんだかどうだかよく分からない半端な記録を残し、翌78年の「殺怒珈琲II」リリースに至ったのであった。
ジャケットには左目のところだけをくり抜いた真っ黒の覆面アウター・カバーが付いており、その下には「土曜ワイド劇場」の『江戸川乱歩の美女シリーズ』で故・天知茂さん演じる明智小五郎が犯人を追い詰めた際にペリペリとマスクを剥がす時のようなジャケットが!あ、でも天知さんは顎の方からそろりそろりと剥がしていって、最後にベリッといってたっけ。
殺怒珈琲に興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪
ラン・ホーム・ガール
オン・ウィズ・ザ・ショー
傷心の時(Every Day Hurts)
“傷心の時” は全英3位に輝いた彼等最大のヒット曲。3rdアルバム「虚飾の扉(Facades)」(79)より