『
怪奇骨董音楽箱』
ジェネシス
「
Nursery Crime」
Genesis (71)
イギリス伝統の演劇(シアター)芸術をロックにみごと、おりこんだジェネシス!!
彼達の最高傑作といわれるセカンド・アルバム遂に発売!!
A面
1.
怪奇のオルゴール - The Musical Box
2.
今いない友の為に - For Absent Friends
3.
ザ・リターン・オブ・ザ・ジャイアント・ホグウィード - The Return of the Giant Hogweed
B面
1.
セブン・ストーンズ - Seven Stones
2.
ハロルド・ザ・バレル - Harold the Barrel
3.
道化師 - Harlequin
4.
サルマシスの泉 - The Fountain of Salmacis
このアルバムは邦題もジャケットも楽曲も素晴しすぎる!
英国のプログレッシヴ・ロック・バンド、ジェネシス(Genesis)が71年に発表した、彼等の3rdアルバム「怪奇骨董音楽箱(Nursery Crime)」は、もし未聴の方がいらしたら是非とも生きているうちに聴いていただきたい名盤である。ただ残念ながら、いつの間にやらアルバムタイトルが「ナーサリー・クライム(怪奇骨董音楽箱)」と原題に戻されており、洒落た邦題はカッコ書きでおまけのように成り下がっている。さらに曲名までもが全て原題となり、邦題は消えてしまった。
この画像では小さすぎて分かりにくいが、ジャケットでクリケットをしている少女が打っているのは何と人間の頭!このジャケの意味はA-1 “怪奇のオルゴール(The Musical Box)” の歌詩をググっていただけると分かるのだが、誰もそこまでしないと思うので一部を貼っておこう。
While Henry Hamilton-Smythe minor (8) was playing croquet with Cynthia Jane De Blaise-William (9), sweet-smiling Cynthia raised her mallet high and gracefully removed Henry's head. Two weeks later, in Henry's nursery, she discovered his treasured musical box. Eagerly she opened it and as "Old King Cole" began to play, a small spirit- figure appeared. Henry had returned - but not for long, for as he stood in the room his body began ageing rapidly, leaving a child's mind inside. A lifetime's desires surged through him. Unfortunately the attempt to persuade Cynthia Jane to fulfill his romantic desire led his nurse to the nursery to investigate the noise. Instinctively Nanny hurled the musical box at the bearded child, destroying both.
(ヘンリー・ハミルトン・スマイス(8歳)がシンシア・ジェーン・デ・ブレイズ・ウィリアム(9歳)とクロケットをしていたら、愛らしい笑顔でシンシアは木槌を高く振り上げて優雅にヘンリーの頭を打ち飛ばした。2週間後、ヘンリーの保育園で彼女は彼が宝物にしていたオルゴールを見つけた…) ひえ~ッ ((((゚Д゚;))))
67年に結成されたジェネシスの、このアルバム製作時のメンバーはというと、ヴォーカルの “歌うヒマワリ” ことピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)を筆頭に、ベースのマイク・ラザフォード(Mike Rutherford)、キーボードのトニー・バンクス(Tony Banks)、そしてこのアルバムから新たに仲間入りしたギターのスティーヴ・ハケット(Steve Hackett)&ドラムスのフィル・コリンズ(Phil Collins)の計5人。
その後、75年にピーター・ガブリエルが脱退してフィル・コリンズがヴォーカルも兼任、更にスティーヴ・ハケットも後に脱退してマイク・ラザフォードがギターも兼任することに。
3人組となってしまったジェネシスは78年に「そして三人が残った(...And Then There Were Three..)」を発表、ポップ路線へと向かっていくのであった。
とはいえそこは腐ってもジェネシス(いやいや、腐ってません)、10年ほど前にローリング・ストーン誌の「Top 10 Progressive Rock Bands of All Time」なるオンライン投票で、堂々たる3位に!ちなみに2位はピンク・フロイド(Pink Floyd)、1位は意外にも(!?)ラッシュ(Rush)だった。
私がリアルタイムで洋楽に親しんだ80年代、ジェネシスは既にポップ街道を爆走しており、フィル・コリンズは “世界一忙しい男” などと呼ばれてソロでもバンドでもヒット曲を連発していた。
80年代を振り返る時、どうしてあの頃はあんなに需要があったんだろう?と不思議に思う人が二人いる。一人は “ルビーの指環” が尋常でなくヒットした寺尾 聰さん(でも“出航 SASURAI”は好きだった)、そしてもう一人がこのフィル・コリンズである。確かにいい曲が多かったけどね。
そんなジェネシスに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪
怪奇骨董音楽箱 (Full Album)