カテゴリ:懐かし邦題アルバム
『ラム酒、愛、そして鞭の響き』 ザ・ポーグス
「Rum Sodomy & The Lush」 The Pogues (85) '84年 熱心なポーグス・ファンになっていたエルヴィスは彼らを全英ツアーに招待しアルバム・プロデュースを買って出た。NME誌’84年人気投票で「ベスト・ニュー・バンド」に選ばれる。 A面 1. 回想のロンドン - The Sick Bed of Cúchulainn 2. オールド・メイン・ドラッグ - The Old Main Drag 3. キルケニーのワイルド・キャッツ - Wild Cats of Kilkenny 4. ガンマン・スチュワート - I'm a Man You Don't Meet Every Day 5. ブラウン・アイの男 - A Pair of Brown Eyes 6. サリー・マクレナン - Sally MacLennane B面 1. ダーティ・オールド・タウン - Dirty Old Town 2. 怪盗ジェシー・ジェイムス - Jesse James 3. ナヴィゲイター - Navigator 4. ビリーズ・ボーン - Billy's Bones 5. ザ・ジェントルマン・ソルジャー - The Gentleman Soldier 6. ザ・バンド・プレイド・ワルティング・マチルダ - And the Band Played Waltzing Matilda ザ・ポーグス(The Pogues)は英国・ロンドンで82年に結成されたケルティック・パンク・バンドで、元々はポーグ・マホーン(Pogue Mahone)というバンド名であった。ちなみにポーグ・マホーンとはゲール語で “俺の尻にキスしろ” という意味だそうな。だが流石にこのバンド名はスコットランドのゲール語話者からの苦情によりBBCで問題となったらしく、縮めて “ザ・ポーグス” となったのだとか。 改名後の84年にデビュー・アルバム「赤い薔薇を僕に(Red Roses for Me)」をリリースしたものの、全英89位と今一つ振るわず。 翌85年、プロデューサーにエルヴィス・コステロ(Elvis Costello)を迎えて制作された2ndアルバム「ラム酒、愛、そして鞭の響き(Rum Sodomy & the Lash)」をリリース。こちらは全英13位とまずまずの売上であった。邦題では “愛” となっている “sodomy” は同性愛(男色)という意味で、旧約聖書に登場する男色など風俗の乱れの罪により神に滅ぼされた都市・ソドムからきている。 “Rum Sodomy & the Lash” というタイトルはウィンストン・チャーチル(Sir Winston Churchill)の言葉「Don't talk to me about naval tradition. It's nothing but rum, sodomy, and the lash.」から取られており、英国海軍の伝統、水兵達の生活を表現した言葉としてよく知られている。 この頃のバンドメンバーはというと、ヴォーカルでアイルランド人のシェイン・マガウアン(Shane MacGowan)を筆頭に、ティン・ホイッスル(アイルランド音楽には欠かせない縦笛)のスパイダー・ステイシー(Spider Stacy)、アコーディオンのジェイムズ・ファーンリー(James Fearnley)、バンジョーのジェム・ファイナー(Jem Finer)、ベースのケイト・オーライアダン(Cait O'Riordan)、ドラムスのアンドリュー・ランケン(Andrew Ranken)、そしてギターのフィリップ・シェヴロン(Philip Chevron)の7人。 ケイトは86年にコステロと結婚したが02年に破局、フィリップは10年に食道癌で他界している。 91年にシェインが脱退した時には、一時的に元クラッシュ(The Crash)のジョー・ストラマー(Joe Strummer)が加わったりもしたが、彼も02年に50歳にして心臓発作(先天性の心臓疾患だったそう)にて逝去。 一方、5歳から飲酒・競馬・タバコを嗜み、10代で移住したロンドンでドラッグ地獄に転落、長年にわたる酒と薬の濫用で50歳にして全歯を失ったシェインはというと、18年にはアイヴァー・ノヴェロ賞(Ivor Novello Awards)受賞&アイルランド大統領から生涯功労賞を授与。更には30年来の友人でもあるジョニー・デップ(Johnny Depp)製作による、シェインの半生を描いたドキュメンタリー映画『シェイン 世界が愛する厄介者のうた(Crock of Gold: A Few Rounds with Shane MacGowan)』が6月3日から日本でも公開される。 さてアルバムに話を戻すと、ジャケットは仏国のロマン派画家、テオドール・ジェリコー(Théodore Géricault)の代表作である『メデューズ号の筏(Le Radeau de la Méduse)』で、よく見ると顔の所がメンバーの写真になっている。 でもって曲の方はというと、ケルト音楽とパンクの融合という当時としてはなかなか斬新な音楽で、個人的には結構楽しめた。というか割と好きだ。民族音楽って心安らぐ感じがいいよね。 “オールド・メイン・ドラッグ(The Old Main Drag)” はリヴァー・フェニックス(River Phoenix)&キアヌ・リーヴス(Keanu Reeves)が主演した『マイ・プライベート・アイダホ(My Own Private Idaho)』のサウンドトラックで使われていたっけ。 そんなポーグスに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ オールド・メイン・ドラッグ 怪盗ジェシー・ジェイムス ザ・ジェントルマン・ソルジャー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.04.26 19:50:10
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